人混みの中で ページ27
キョロキョロと辺りを見回して晶哉を探す。
「どこ行ったんだろ…」
私の右手にはたこ焼きと焼きそばが入ったビニール袋にクレープ、左手にはりんご飴。
スマホを出したくても出せず、食い意地を張ったことを後悔した。
晶哉を探しに行こうと歩くと、人混みの波にのまれそうになる。
やばい、転ぶ…！！
そう思ったその時。
誰かに腕を掴まれた。
振り向くと、その手の主は晶哉ではなく誠也だった。
そのまま引っ張られて屋台通りを抜け、人の少ない所に来た。
誠也「大丈夫か？」
「うん。ありがとう、す、末澤くん」
誠也「誠也でええって笑」
また、Aの姿で誠也に会ってしまった。
誠也「てかめっちゃ買っとるやん！Aちゃんって見かけによらず食いしん坊なんやな。笑」
「いや！これはその、晶哉の分もあるから！」
慌ててそう言うと、誠也の顔が曇る。
誠也「晶哉と来てたんや。
…もしかして、晶哉と付き合った？」
「そ、そんなんじゃないよ！
晶哉はただの友達だから！」
誠也「そーなん。
なら、俺と付き合って？」
は？
今、なんて…？
誠也「俺、Aちゃんのこと好きなんよ。」
「え、」
突然の告白に思わず固まってしまう。
誠也「どう？」
「…ごめんなさい。」
私はそう言って頭を下げた。
健「あ！誠也くんおった！」
聞き覚えのある声に頭を上げると、いつも仲良くしてるメンバーがやって来た。
その中には晶哉もいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 423人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もなか | 作成日時：2024年2月22日 23時
