夏祭り ページ26
そして迎えた夏祭り当日。
どうしても浴衣が着たかった私は、晶哉に言われたことを守らなかった。
だって、男物の浴衣なんて持ってないし…
バッチリメイクをして髪もセットして、ウキウキ気分で待ち合わせ場所に向かった。
待ち合わせ場所が見えると、浴衣姿の晶哉が待っていた。
浴衣…似合うじゃん。
普段と違う晶哉がかっこよく見えた。
「晶哉〜！」
手を振りながら晶哉の元へ走った。
晶哉「お前なぁ…！！」
晶哉は私を見るなり驚いた表情をする。
晶哉「なんでそんなきゃぴきゃぴした格好で来るん！？凛の姿で来いゆーたやんか！」
「だってどうしても浴衣着たかったから…」
いきなり怒られて思わずしょんぼりすると、晶哉はあーもう！と困ったように頭を掻いた。
晶哉「拗ねんなや……浴衣、似合ってるから」
そう言われて嬉しくなる。
ありがとう。と言ってニッコリ微笑むと、恥ずかしそうに目を逸らす晶哉。
そんな彼の頬はほんのり赤く染まった気がした。
それから少し歩いて祭り会場に辿り着く。
会場はたくさんの人で賑わっていた。
「たこ焼き！焼きそば！クレープ！りんご飴！」
晶哉「は？！そんな食べるん！？」
「食べるの！！」
屋台を回って次々と食べ物を買って行く。
そうしてるうちに晶哉の呆れた声が聞こえなくなった気がして。
「あれ？」
後ろをついてきてた晶哉の姿が見当たらなくなった。
やば…
はぐれちゃった…
私が食べ物に夢中になり過ぎたせいで…
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作者名：もなか | 作成日時：2024年2月22日 23時
