優しさ ページ23
晶哉「このまま卒業まで学校おるつもりなん？」
「そうだけど、」
晶哉「やめた方がええやろ」
「え？」
晶哉はいつの間にか真剣な表情で私を見る。
晶哉「まだ1年の1学期終わったばっかなんに、あっさり俺にバレとるし…」
た、確かに…
気をつけてはいたつもりだったんだけど。
晶哉「他の奴らにバレたらどうするん？下手したら襲われることもあるし、退学やで？」
私は何も言えずに俯く。
晶哉の言ってることは間違ってない。
むしろ、私のことを心配してくれてる。
私が男子校に入った理由は、強くなりたいと思ったこと、そして襲われないようにするため。
でも周りにバレて襲われてしまったら、元も子もないよね。
だけど……。
「私は辞めない。卒業まであの学校にいる」
決めたんだ。
私は強くなりたい。
もう二度と、あんな思いをしないように。
晶哉「……わかった。そんなに言うなら、俺も協力する」
晶哉はしばらく黙り込んでからそう言った。
「晶哉…」
晶哉「でもホンマに気ぃつけな危ないからな？」
「うん…！ありがとう晶哉〜！」
晶哉の優しさが嬉しすぎて、泣きながら抱き付いた。
晶哉はびっくりしつつも私の背中を優しくポンポンと叩いてくれた。
晶哉「おい」
「ん？」
何？と晶哉を見上げると、思いっきり顔を逸らされる。
「え、何？」
晶哉「それ以上くっつかれると…やばい……」
その言葉に、私は慌てて離れた。
「ご、ごめんっ」
そうだった。
私は今、男じゃないんだった。
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作者名：もなか | 作成日時：2024年2月22日 23時
