絶対にバレるな！ (ページ21)

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全てお見通しページ21

お手洗いから出ると、目の前には壁に寄りかかる晶哉がいた。   

目が合ったけどすぐに逸らして、軽く頭を下げて前を通り過ぎようとした時。

     晶哉「凛」

   そう呼ばれて立ち止まる。

    マズイ……。  

今は凛じゃないんだった。    

無視して歩き出そうとすると、腕を掴まれる。

   晶哉「待てや」

   「っ…」

   晶哉「……凛やんな？」   

「違っ」

   身体を向けさせられ、肩を掴まれる。    

晶哉「…やっぱり凛やん。」

   私の顔を見て確信したかのように言う晶哉に、何も言えなくなる。   

もうとぼけても無駄か…    

晶哉「凛やなくて、本当の名前はAなん？」

   「そう、です…」   

晶哉「なんで敬語なん笑」

  フッと笑う晶哉。   

晶哉「とりあえず、ここ出よ」   

「え、ちょっ」

   晶哉は強引に私の背中を押して店を出た。

     晶哉「どっかで少し話そーや」

   晶哉の言葉に黙って頷いた。

    きっといろいろ質問攻めされるんだろうな。

     黙って晶哉に付いていくと、小さな公園が見えてきて、そこのベンチに2人で腰掛けた。    

そして少しの沈黙後、晶哉が口を開いた。