リレー ページ15
ベッドから降りて立ち上がると、左足がズキンと痛む。
保健室を出て、壁伝いに左足を引きずりながら歩く。
グランドに出ると、正門がこちらに向かって走ってきた。
正門「凛！足大丈夫か？」
「大丈夫…っ！」
そう言いながらもグラつく身体。
咄嗟に正門が支えてくれた。
正門「肩貸すで？」
正門は私の手を自分の肩に回させて、私の腰に手を添えた。
「あ、ありがとう」
なんか二人三脚よりも密着度が高い気がするけど、この場合は仕方ない。
大人しく正門に身を預けて、ゆっくり歩く。
正門「お前ホンマに小さいな？てか、華奢すぎん？」
「うるさいな…」
正門「女の子みたいやで？笑」
「な訳ねぇだろ！！」
正門、今その冗談はキツいって。
これでも身長160以上はあるんだから！！
正門「やんな？笑胸ないし」
それは、サラシ巻いてるからです。
巻いてなくてもそんなに大きくはないですけど。
胸というワードを聞いて、先程の保健室での出来事を思い出して思わず顔が熱くなってしまう。
正門「ちょうどこれから始まるって！リレー」
「あ、うんっ！」
それからリレーが始まって、声援が響き出す。
「みんなはっや！」
正門「凛は遅いもんな？」
今走っている男の子の先に待ってるのはアンカーの晶哉。
ついにバトンは手渡された。
晶哉の前には2人走っている。
その状態のままゴールが近づいて、声援が激しくなる。
「がんばれ晶哉ーーー！！！」
私は声を振り絞って晶哉を精一杯応援した。
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作者名：もなか | 作成日時：2024年2月22日 23時
