理性と本能 (晶哉side) ページ48
晶哉side
ラビットの生放送を終えて
楽屋に戻ろうとした時
Aがトイレから出てきて
男のスタッフさんに連絡先を聞かれとった
Aがずっと黙り込んどるから
スタッフさんも押せばいけるって思い始めたんか
ニヤニヤしてAに近づいて
しつこく迫っとった
そんなんに気づかんと悩んどるAに
なんか腹立って
Aに関わりたくないんに
気づいたら声かけとった
『お話中すみません！Aさん』
男は舌打ちをしてその場を去っていった
あの男はAの連絡先聞いて
なにするつもりだったん
Aこそはっきり断れや
昔からそう
隙だらけのAが嫌いや
俺はめちゃくちゃイライラしとって
『彼氏さんもこんな隙だらけの彼女だと可哀想やな』
『俺が来んかったら連絡先教えるつもりやったんやろ？俺のおかげでAが浮気して彼氏さん苦しまずに済んだわ』
そしたら
しゃくりあげる音が聞こえて
Aを見ると
泣いとった
相変わらずAの
泣き顔も綺麗やと思ってしまう俺は相当やな
俺がひどいこと言っても
泣きながらも俺にお礼言うA
そーゆーとこも嫌いや
なんで泣くん
俺の方がAに傷つけられとるし
泣きたいんはこっちやわ
Aにめちゃくちゃ腹立つし
あんなやつ知らんって
嫌いやって思えば思うほど
Aが困っとったら
無意識に
俺が助けなあかんって
気づけば動いとる
俺はほんまに
Aには一生かなわんのやろな
改めて気付かされた
瞬間やった
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作者名：もなか | 作成日時：2023年11月13日 23時
