U R (ページ47)

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やっぱり私のヒーローページ47

TBSの情報番組の収録を終えて

トイレを出ると

スタッフさんらしき男の人がいて

声をかけてきた

男『Aさん、急に話しかけてすみません』

「はい」

男『俺、めちゃくちゃTWICEが好きでその中でも特にAさんのファンで…』

「ありがとうございます！」

男『よかったら連絡先頂いてもいいですか』

え？

スタッフさんだから怒らせたら大変だし

どうにかしてうまく断わろうか考えていた時

晶哉『お話中すみません！Aさん』

晶哉？

なんでここにいるの？

晶哉『マネージャーさんが探してましたよ』

「え？そうなんですか？」

スタッフさんは頭をかいて下を向いた後

男『では僕はこの辺で失礼します』

そう言った去り際に

舌打ちが聞こえた気がした

怖い…

晶哉はスタッフさんの後ろ姿が見えなくなるまで見つめた後

無言でこの場を離れようとする

「待って！マネージャーはどこにいるの？」

晶哉『は？』

え？

「え？だからマネージャーどこって…」

晶哉はため息をついた

晶哉『嘘に決まっとるやろ』

「嘘なの？」

晶哉『連絡先聞かれとってもはっきりと断らずに黙り込んどるから逃げやすいよーに嘘ついた』

晶哉はやっぱり私のヒーローだね

いつも必ず助けてくれる

　

「晶哉…ありがとう」

晶哉はしばらく黙り込んだ後

私の顔を見ずに鼻で笑った

晶哉『彼氏さんもこんな隙だらけの彼女だと可哀想やな』

「え？」

彼氏？

なんのこと？

晶哉『俺が来んかったら連絡先教えるつもりやったんやろ？俺のおかげでAが浮気して彼氏さん苦しまずに済んだわ』

晶哉の言っている意味がわかんない

わかんないからこそ

大好きな晶哉から放たれる言葉が

苦しい

晶哉の前では絶対に泣かないって

あの日以来決めていたから

必死で堪える

それでも

身体中が震え出して

限界が来て

唇を噛み締めてボロボロと泣いた

晶哉は目を大きく見開いて

少し動揺しているようにも見えたけど

多分私の勘違い

晶哉は私のことそんなふうに思ってたの？

でも連絡先を教えなくて済んだのは

晶哉のおかげだから

「連絡先聞かれてどう断ろうか悩んでたから嘘ついてくれて助かった、ありがとう」

お礼だけ伝えて楽屋に戻った