お兄ちゃんみたい ページ31
健 『A?』
改札前で泣いている私に健くんが声をかける
「健くん」
健 『どうしたん?』
何も答えられない私に健くんは
『スタバ行かへん?』
笑顔でそう言った
ホットココアを目の前に差し出し、目の前に座ってコーヒーを飲み出す健くん
健 『連絡はちょくちょく取ってたけど会うのは1年ぶりやない?』
「そうだね」
高校1年の時からテスト期間になるたびに
健くんにお世話になって
仲良くなって
1日に1回は休み時間に屋上で2人で話してた
私にとって健くんはお兄ちゃんみたいな存在で
健くんが高校を卒業してからも
頻度は少ないけど
LINEでのやり取りは続いてて
晶哉には言えなかったことも言える
なんでも相談できる存在だった
ふと健くんのカバンを見ると大量のチョコが敷き詰められているのがわかる
「まだ女遊び懲りてないの?」
健 『違うねんて!相手がくれるからもらうしかないやん』
「幸せだね」
健 『欲しい子からは貰ったことないけどな』
「健くん好きな子いるの!?笑」
健 『おーやっとAが笑った』
本当にお兄ちゃんみたい
健くんは女遊びしてるで有名だったけど
根は優しいんだよね
健『好きな子ちゃうけどその子から貰ったらめちゃくちゃ嬉しい』
「それ好きじゃん」
健 『だからちゃうって笑』
「健くん、私卒業式終わったら東京に引っ越す」
健 『デビュー決まったん?』
「うん」
健くんは目を大きく見開いて笑顔で私を見つめる
健 『ほんまおめでとうな!!!俺Aのデビュー自分のことのよーに嬉しいわ!』
晶哉にも正直に言えてたらこんなふうに喜んでくれたかな
「健くん少し静かにして」
健 『あ、ごめん笑そうやんな?A非公開練習生やから周りにバレたらあかんもんな』
「そうだよだから静かに!ね?」
健 『俺もはよデビューしてAのおる東京行くからな』
それから店を出た私と健くん
健 『家着いたら連絡しろよー』
「わかったー、健くんありがとう」
この時の私はまだ気づかなかった
晶哉のことで泣いている時に現れるのは
健くんだってことを
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作者名:もなか | 作成日時:2023年11月13日 23時