実況者と絵師 (３)【男主】 (ページ10)

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「おはよーA。起きんの早いね」

『あっおはようゴザイマス』

「？」

リビングに入ろうとした俺を、弟者君はいつもの末っ子スマイルでお出迎え。いかん、コイツは末っ子皮を被った狼じゃ。
サッと扉を閉めて上に逃げる。

「おついちさぁん、Aなんか変じゃない？扉開けてまた閉めてったよ」

「おめーが悪いんじゃないの」

「はぁー？」

「てゆーかアイツ、こっちに来るって連絡寄越してから詳細教えてくれないんだけど」

「………マジで東京来たの？」

「３日前には着いてたっぽい」

「うーわやだキモイ……」

まあ今日は休日だけど俺は用事あるもんね。
だから狼とは(今日一日だけは)会わないですむ。
バッグにタブレットやら文房具やらを詰めに詰めていざ出発。

部屋のドアを開けるとそこにはめろやんが。

「うお」

『めろや、……何してん』

「あー、いや、用事あったんだけど忘れた」

『なんだそれ』

じゃあ俺は出掛けるから、そう言おうとしてめろやんの方を向くと俺の顔に手が迫ってきてた。
びっくりする間もないまま手は近付く。
そのままあのピアスをするっと撫でる手。

「ん、似合ってんな」

脳内のおついちエンジェルが騒ぎまくる。
「右耳は守られる人！！右耳は守られる人！！」

『ーッ!!!!』

「？」

『あ、ありがとね！！じゃあ俺でかけっから！！』

「どこに？」

『アキバ!!!!!!!!!!!!!』

めろやんとドアの隙間からバッと廊下に飛び出る。
後ろからはのんきな声でいってら～なんて聞こえた。