6*口車 ページ7
「どこだっけかなぁ〜……ここらへんにしまったはずなんだけど」
『え、っと……なにしてんの?』
弟者君の部屋に来たは良いものの、タンスやら何やらをごそごそ引っ掻き回してる。大きいスクリーンのパソコンに、ゲーミングチェア、テーブルにベッド……。
あの日の夜の事を思い出して顔がぼんっと暑くなる感覚がした。気まずすぎる。
(はやく出たい……)
「あった!!これだよこれ」
『なに探して……、』
言いかけて弟者が手にしたものを見たとたんフリーズしてしまった。
これって、このTシャツって……
『レインボーシックスのコラボのやつ……!?』
「そう!もしかして持ってる?」
『持って、ない!!え!は!!??』
やばい、やばいやばいやばい。
元はと言えば俺はこいつのファンでありオタク。
持ってねーんだよこんなレアT……!!!!!!
テンションが大気圏を突破しそうで怖い。
「俺3、4枚は持ってるからさ」
持ってないならあげるよ!と言う。
うそ、マジ天使か………??
屈託のない笑顔で言われると全てどうでもよくなってくる、いやそんなことは無いんだけども。
「俺さ、めろさんみたいにAの好み知ってる訳じゃないし、兄者みたいにお金もかけたりとか、できないけど……」
照れてるのか、目を伏せながら頬をかく。
こっちまで照れるじゃないか、なんだよかしこまって。
「また来年はしっかり祝わせてね」
『お、おう……ありがとう』
来年……、来年?
返事しちゃったけど来年まで住むつもりは
「やった!じゃあもうずっとここに住むんだよね!」
『!?』
「大学卒業して社会人になっても、ここなら駅も近いし家賃も割り勘だからいいっしょ!」
完全にやつのペースに乗せられてた。
デメリットはないが、しぬまで東京から出られそうにないな……多分。
『あ、はい……』
自意識過剰かもしれないが自身の貞操はしっかり守らねば。
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湯葉 - 好きです!!楽しみにしています。更新頑張ってください!! (2021年11月17日 0時) (レス) @page18 id: 079642c981 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タコ草 | 作成日時:2021年9月29日 21時