実況者と絵師 (３)【男主】

17*策士 ページ18

『あ……、やばい』

「？なになに、どったの」


証拠動画で思い出したけど、俺もアイツに写真取られてんじゃねぇか……！

まずい、今すぐ追いかけて何とかしなきゃ。
何とかって言っても……どうすりゃいいんだ？

結局、俺が……



「ちょっと、どこ行くの？」

『……』


男が逃げた方向に進もうとする俺を、金髪が呼び止めた。


「そっちに行ったら待ち伏せしてるかもよ」


見ず知らずの俺を助けてくれたお人好しなあんたには感謝してるよ。


『本当にありがとうございました。……でも、俺行かなきゃダメなんです』

「なんで？」

『何でってそりゃ……アイツに盗撮されたからですよ！だから早く行かなきゃ、変な脅しに使われたりしたら……！』

「えー、いいじゃん、行かなくても」

『っ！？だから俺は！！……………って、え？』


俺の目の前で白いスマホをふる金髪男。
まるで見せびらかすように。

でもって、おかしい。
何故ならあの「証拠動画」を見せてきたときは黄色いスマホケースに入っていたからだ。
そして今コイツが持っているスマホは二つ………。


『そ、それって』

「そう！お察しの通り、あいつのスマホだよ」



胡散臭くて、抜け目がなくて、馬鹿みたいにお人好しなこの男。
どうしてここまで俺を助けようとすんだ？


いや、お人好しと言うよりかはこの状況を楽しんでんのかもな……。

楽しんでるからこそ、無駄に首を突っ込んでくるんだ。

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