実況者と絵師 (３)【男主】 (ページ17)

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16*証拠ページ17

「お、おい待て！」

「しつけぇぞ」

「うっ」

論破されてもなお引き留めようとしてくる男に金髪頭が一喝した。

さっきまでのヘラヘラした態度とは打って変わって、男をだるそうに睨み付ける。

「おい、変態」

「な、っ」

「コレ見てまだそんなこと言うつもりじゃねーよな」

そう言ってスマホを男の目前にグイっとだした。
はじめは驚いて見ていた男だったが、その表情はみるみるうちに青ざめていく。

「お前、いつこれを…」

「証拠だよショーコ、ポリスメン呼ばれたくなかったらさっさと消えな」

その言葉を受けた男は、顔を悔しそうに歪ませながら改札の放へ走り去っていった。

「ふん、よえーやつ」

『あ、の』

「大丈夫？お兄さん」

『はい……あ、えっと、ありがとうございました…』

気にしないでいいのよ、とそいつはニコッと笑った。なんだか胡散臭げな人だな……。

『あの』

「ん？」

『さっき、アイツになに見せたんですか？』

俺がそう訪ねると、少し考えてから「ああ、」と言ってスマホを取り出した。

「動画だよ動画」

『動画…』

「そう！お兄さんが痴漢被害にあってる時のね」

『……盗撮じゃないですか』

「そのおかげで助かったんだしいいでしょ」

『まあ、確かに……』

金髪はでしょでしょ、と言って動画の削除ボタンを押した。