12*最悪 ページ13
完っ全に油断していた。
いや、あまりにもインパクトが強すぎる事があったせいで忘れていたんだ。
主に俺の誕生日がどうとかって事なんだけど。
「また同じ時間に乗ってきて…、期待してたの?」
『……』
「無視するなんて酷いな……黙ってるってことは「そう」ってこと?」
なんかめちゃくちゃ話しかけてくるし。
尻を触りながらベルトを器用に外していく。
抵抗しようにも、満員で狭すぎるせいでなにもできない。
『ち、がう』
「違うって、何が?今もこうして抵抗しないし……本当は俺みたいな人間と一緒なんでしょ」
ジー、とズボンのチャックが下げられる。
回りの人は気付かないし、なんなら気付いてほしくもない。こんなの恥ずかしすぎるって。
「君、すごい可愛いよね……。背も高くて顔付きもしっかりしてて、気が強そうで」
『……』
手が、気持ち悪い。
下着の上からまさぐるような手の動きが、すごく不快だ。
どうせ痴漢でも触るだけだろうし駅まで我慢できれば、そう考えてた。
「そう言う子って、いじめたくなる」
『ぁ、うッ』
これはマジでヤバイ。
男の手の動きが早まる。
この男に対する苛立ちと、不快感と、情けなさがない交ぜになって涙がにじんできた。
「きもちいい?」
『……ぅ゛、、やめ……ッ』
タクシーで来れば良かったなって今さら思った。
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湯葉 - 好きです!!楽しみにしています。更新頑張ってください!! (2021年11月17日 0時) (レス) @page18 id: 079642c981 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タコ草 | 作成日時:2021年9月29日 21時