【2BRO.】令嬢と用心棒 [第2部]【ヤクザ】

2-11 狂戦士 ページ13

｢くたばれぇぇええ！！｣


仮面のうち1人が、大きな刃のブッシュナイフを上に振り上げた


ガツン！と音を立てて、弟者のバールがそれを受ける


と思うと、もうそいつは頭から血を出していた


目にも留まらぬ速さで殴ったようだ


｢くそっ…！｣


ほか2人が弟者に刃を向ける


勝ち目など、向こうにはあるわけない


見ていて、凄くわかる


片方の腹部に蹴りを入れ、もう片方の首にバールを叩きつける


｢うﾞぇっ｣


蹴られた方は嗚咽を漏らしながら気絶


バールで殴った方は死んでるようだ


バキっていう音がしたし、首は変な方向に曲がってる


『…』


人が死ぬのにも、慣れたみたい


残りの2人を倒そうと、弟者が前に出る


逃げようとするほうを捕まえ、殴ろうとするもめちゃくちゃに抵抗してなかなか出来ないようだ


弟者と仮面のやつが揉み合いになってる間、もう1人が後ろにこっそりとまわっていた


弟者の背中に、ブッシュナイフをかざす





あぁ、こいつは私が


『ころさなきゃ…』


足を引きずりながらそいつのもとへ行き、小刀を首に滑らそうとした


グシュッ！


私が小刀で切る前に、目の前の頭がただの肉に変わった


逃げようとしたやつを始末した弟者が、バールを後ろに向けてふったからだ


仮面の男が床に崩れる


『おとじゃ…』


弟者に声をかけると、私の方をギロりと睨みつけた


弟 ｢Aは殺しちゃだめだ｣


その気迫に一瞬、ビクリとする


弟者は前に向き直り、もう死んでいるそいつの頭を何回も殴った


何回も、何回も


ぐしゃりぐしゃりと嫌な音が廊下に響き渡る


『弟者、…おとじゃ…っ』

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