あたしにケーキは必要ない. ② (ページ24)

今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:43,949 hit

# 謎メン、またはおしゃメンページ24

.

ト「…お、やっと来た。A、こっちー」

『あ、トミー……じゃないな、何しっかり手下まで従えてんのよ魔王様』

ト「いや誰が魔王様だ」

と「手下じゃねえわ」

友「俺は手下でも別に良いけどな」

ト「そこは逆らえ」

すぱん、と軽く頭を叩かれた元某ブランドショップ店員__もといともやんは「いてぇ」と言いながらも、構ってもらえて心底嬉しそう。それを後ろから見てるとしみつもくすくすと笑いながら肩を揺らしていて平和だなーなんて呟いていたり。…違う、そうじゃない。

『…何これ？』

と「何これって…買い物行くんだよ」

『それはわかってるけど何メン？これ。てかトミー1人やと思ってたし』

友「そうなの？俺らはAも来るって聞いてたけど」

ト「あ、すまんシンプル言い忘れてた」

『しっかりしてよ魔王さん』

ト「だから魔王じゃねーって」

呆れたように首を振るトミーも、楽しそうに腕を組むとしみつも、私の隣にぴったりとくっつくともやんも、みんなそうやけど__何このお洒落なメンツは。

トミーは勿論何時ものGUCCIのアレを着こなしてるし、ともやんも元勤務ブランドで全身の殆どを固めているし、としみつに至っては前私があげたちょっと良いパーカーを大きめに着こなしているのがまた可愛い。(笑)

『皆オシャレすぎてちょっと、引くわ…。』

友「なーんでえ、俺らこれがデフォルメみたいなとこあるじゃん！(笑)」

と「そうそう、俺に至ってはAがくれたパーカーだかんね！？Aが洒落てるだけやん！」

『ちーがーうー！(笑)着こなす人の問題やん！着る人がオシャレやからやんか！』

ト「だぁーうるせえ！全員オシャレ！以上！(笑)」

『ええ、私はその全員に入れんといてよ、』

と「よう言ったわ、そんな可愛い格好しといて」

そう？と自分で全身を改めて見下ろしてみるけど、自分では全くオシャレだとは思えない。出来る限りトミーと比べて見劣りしないように、上品な花柄のワンピースに茶色いバッグ、それに合わせてお気に入りの赤いパンプスを履いてきた。私なりにオシャレはしてきたつもりだけど、世間一般的に見てそれほどオシャレとは言えない気がする。

友「俺らがお洒落っつったらお洒落なの。わかった？」

『えー…まあ…』

ト「あーもう、とりあえず腹減ったし飯食おうぜ。ここのバー、ランチもやってっから」

トミーの一言で私たち"おしゃメン"は、雰囲気のいいバーの店内へと足を進めた。

.