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咄嗟に跳ばなくちゃ！！！と思って足を挙げるもハードルのバーに勢いよく突っ込んだ。
バキッッ！という音と共にバーが吹っ飛ぶ。
そのバーの破片が転倒時に肩に、セパレートタイプのユニフォームのせいでお腹に、
そして、顔に刺さる。
自分でもどんな転け方をしたのか分からなかった。
ただ無音で、景色がスローモーションになった。
ふと顔を上げるとあたしのはるか後ろにいた選手があたしを追い抜かしていく。
あたしも行かなくちゃ。ゴールしなくちゃ。
そう思って立ち上がろうと足に力をいれるも力が入らずにぐにゃりと倒れ込んだ。
雨のあとのトラックにできた5レーンの微かな水たまりには赤いタータンより濃いあたしの血の色で染まっていた。
あたし何してんだろ。なんで倒れてるんだろ。
ふと我に返った。
今までに味わったことのない痛みと、悔しさでどうにかなりそうだった。
「わぁあぁぁーー！！！！！！！！」
痛みに堪えきれなくて悔しさを堪えきれなくて、身体を動かかせないまま倒れたまま濡れてるタータンに拳を何度もぶつけた。
叫んでも叫んでもタータンに拳をぶつけても痛みも悔しさも晴れなかった。
「A！！！！！！！」
顧問と医務室の�和泉さんに救護係があたしの周りに集まる。
あたしはただ泣き叫ぶことしかできなかった。
「いやーー！！」
走らせてくれ！まだあたしはゴールしてない！
あたしは記録出してないんだから！下ろしてくれ！！！
担架に乗せられるときも、運ばれるときも動かせる腕や首で何度も抵抗した。
その度に顧問に抑えつけられた。
「A！！！」
担架で運ばれながらピシャと顧問に平手打ちをされる。
そのことでようやく自分のレースは終わったんだと分かった。
ふと担架の上からさっきまでいたトラックを見つめた。
メキメキに破壊されてぶっ飛んだハードルには真っ赤に血が付いていて、その壊れたハードルを補助員のコが運び出していた。
そして、血で濡れたそのトラックをバケツで水を掛けるあたしの後輩。
後輩は何度も何度も袖で目元を拭いていた。
「ごめんなさい。ごめんなさい」
あたしはトラックに向かって顧問に向かって後輩に向かって何度も何度も声を上げて謝った。
そのことのことは覚えていない。
ただ、気が付けば白い天井があたしを迎えてくれた。
「ごめんな。俺が悪かった」
目が覚めると顧問があたしを抱き締めた。
酸素マスクの中に涙が入ってきた。
あたしの競技人生が終わった瞬間だった。
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ゆっぴ - 一気に初めから読みました！めっちゃ面白かったです。主人公の変態っぷりさいこー(笑)またお願いします(￣^￣) (2015年2月23日 21時) (
レス) id: 446be19339 (このIDを非表示/違反報告)
大安レカロ(プロフ) - 全部読まさせていただきました。山本先輩と、愛先輩の恋の続きがみたいです！よろしくお願いします (2014年3月3日 12時) (レス) id: a494bbdbcf (このIDを非表示/違反報告)
のえる(プロフ) - ほんとにステキなお話でした。それでお願いなんですが、大迫くんとの恋とかは書いては頂くことはできませんか？ (2014年1月3日 18時) (レス) id: 60140b51ac (このIDを非表示/違反報告)
倉藤 紅(プロフ) - ∞かな∞さん» 喜んでもらえてうれしいです！まだ構成がしっかりしてないので練りしだい書くのでお楽しみに☆ (2013年6月24日 20時) (レス) id: 10f34f2a20 (このIDを非表示/違反報告)
∞かな∞(プロフ) - 倉藤 紅さん» 本当ですかっ！！！！\(//∇//)\表せないくらい嬉しいですっ!!ずっと応援していますっ！o(^_^)o (2013年6月24日 20時) (レス) id: f81e2cb88d (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2013年2月12日 7時
