負けたくない、だから負けへん。《kj∞》

5話* ページ5

side：錦戸亮


………見ていたくない。


マルと大倉が仲良さげな感じになってるのを。


何でやろ。


わからへんけど……


見てるだけでもやもやっていうか…


イライラしてるに近い感情が溢れてくる。


マルが大倉に抱きつく度に、


仲良さそうに笑う度に…。

・

ちらっと目をやれば、仲良さそうな夫婦の姿。


で……俺のすぐそこで大倉とマル。


マルが大倉にキスしてる。

・

マルって……こんなに積極的やったっけ…？


全然そんな感じ、見たことなかった。

・

それぐらい……大倉のことが好きなんやって。


見せつけられてる気分になった。


亮「………っ！！」


我慢できなくなって、俺は立ち上がった。


大「亮ちゃん……？どないしたん？……あ、ごめんな？俺らだけで……」


申し訳なさそうに言う大倉。


でも俺は何も言わず楽屋を出た。

・

・

しばらく歩いて、しゃがみ込む。


亮「……っ！くそっ！！何で……。何で…こんなに…」


わからない。この気持ちのわけが。


泣きそうになるのを堪えた。

・

・

？「………亮ちゃん？」


突然の声にびっくりして、顔を上げると…。


亮「……章ちゃん……」


優しく微笑む章ちゃんの姿が目に入って。


俺はよくわからんまま、章ちゃんに抱きついていた。

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