僕のものになりなよ。 10

447 中村side ページ18

俺が、


Aを振り向かせる為に使った…



『アレ』はちょっと強引過ぎたかなぁ？



“ぱぁ〜”



口から吐き出した煙が、


丸い輪っかになって宙を舞った。




磨りガラスの向こう側、




さっきまでカメラの前でキラキラの笑顔を向けていたアイドル達が見えた。




んま、顔は見えてないんだけど。



つか、多分、あっちは俺がここに居るの…気付いてないね。




山田『知念、今夜約束してんだろ？Aちゃんと…』



“Aちゃん”



中村「…っ！？」



Aって…あのA？



仕事？打合せ？




知念『…まぁ、』



山田『久々の再会だな、』



知念『ちょっと、涼介ニヤケすぎ』



山田『そりゃ、ニヤケもするだろうよ、

…仲良くしなよ』



知念『言われなくても仲いいけど、僕たち』



山田『うわ、ノロケやめろよな』



知念『ふふっ、悔しかったら涼介も…早く良い人見つけなよ』



山田『はぁ？生意気だそ…』




遠ざかる足音に、




中村「…え、」




思わず溢れた驚きの声。

448 中村side→←446

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す