僕のものになりなよ。 7

293 貴方side ページ13

“ぎゅっ”



お互いの鼻先が触れ合うほど近い距離で、


触れ合って、


ほんの少しの秘密の時間。



知念「僕、そろそろ戻らないと。」



A「うん………」



名残惜しいけれど、


そっと彼の腰のあたりに回した腕を緩める。



知念「終わったら帰るから…いい子にして待ってて。」



“ふわりっ”



まるで小さい子をあやすかのように、



頭の上に乗せられた手のひらですら…今はもどかしい。



“コクリ”



黙って頷けば、



知念「そんな顔したら、

僕戻れないよ………」



そう言ってもう一度だけ、


“ちゅっ”っと軽い口付け。



知念「はい、お終い！」



A「行ってらっしゃい。」



知念「Aも、お疲れ様！」



“じゃあ、また後でね！”



そう言うと彼は仕事へと戻っていった。

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