【u/n/e/i】かわいい青【BL】

sb×rd−貴方が死んだ日は快晴でした ページ8

近海の鯖×らっだぁ(継承略)
左死ネタ注意.


棒読みのニュースキャスターが言う。「本日は雲一つない青空になりそうです」。リモコンを手に取ってテレビの電源をそっと切った。

「近海さん、今日晴れなんだって」

彼からの返事は無く、代わりに無機質な機械音が聞こえるだけだった。ピッ、ピッ、と彼の心音をなぞるような音が。
彼の寝ているベッドのすぐ横にある窓からは、眩しい光がさしこんでいる。それが白いベッドを目が眩むくらい光らせていた。
宝石のように紫に輝く彼の髪を触ってみても、彼が目を開けることはない。

「近海さん、いつまで寝てるの？」

起きないかなあ、なんて思ったりしても目を覚まさないことは分かっている。
それどころか、今日、11月11日が彼の命日であることも。

「近海さん、最近の医療って凄いね」

俺が生まれた日に、死んでも一緒に居たい人が死を迎えることが、手に取るように分かるのだから。
ゆらりゆらりと視界が揺らぎ、つーっと頬が濡れていく。

「近海さん、好きだよ」

鼻をすすり、嗚咽を押し殺しながら小さな声で、呟いた。すると、それに返事をするように機械が鳴った。ピーッと、無慈悲で残酷に、それでいて長く長く鳴った。
ふと、窓を見ると、外の天気は快晴だった。
彼が死んで、泣いているのは俺だけ。他の人はいつも通り会社に行き、いつも通り学校に行く。涙を流すこともなく、時が止まることもなく。
それは近海さんが居なくても世界が回ることを立派に証明していて。
近海さんが死ぬことで、泣いて、時が止まって、回らなくなるのは俺だけで。

「きん、かいっ、さんっ……」

ならせめて、空だけでも泣いてしまえ。

願えば願うほど、空は残酷に、俺の色で美しく輝いていた。


×＿＿＿×＿＿＿×
リクエストのものが思ったより長くて中々書き終わらないので息抜きに……。
近海さん×らっだぁさんわりと好きです。

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