妹、溺愛される ６

寝るまででいいから 1 ページ31

宮西尚生side

遠征で試合が終わりホテルに帰ってきて、優奈を寝かしつけて、家族との電話も終えた時だった。


『…みやしゃん、、、』

「うわっ！起きてたん？！」

『(こくん)』

「ごめん、ごめん。寝んねしよなー」

『、あのね、、、』

「？どした？」

『、、、ひとつだけ、おねがい、いい？』

「？？全然いいで？」

『、ねんねしゅるまでだけ、、、ギューちて、、、“いちばん、しゅき”ってゆって、、ほちし、、、の、、(不安げ)』


頭を鈍器で殴られたような衝撃やった、


…“一番好き”って、、、寝るまででいいって、、、。


[まるで自分は1番じゃなくて、当たり前]みたいな言い方やん…、、、


大切なものに順番なんか付けたくないのに、、、


家族との電話聞かれてたんかな、、


珍しく下の子が愚図ってて、帰ったらして欲しいことの話をしてめっちゃ甘えて来てたからな。


今まで色々あった優奈は、周りの空気を読んで子どもで居ることを諦めるしかなかった。


皆それぞれに大切な人がいて、自分が誰かの1番になる事はないってずっと思ってたんやろう……現に以前、鍵谷とそんなやり取りがあったみたいやし、、、


「(ギュッ)」

『へへっ(ニコニコ)』

「…なぁ？」

『？？あい』

「…寝るまでだけでいいん？」

『、あい！ゆうなたんねー、みやしゃん、だいしゅきなの！(ニコニコ)』

「…1番、とは、言えへんわ、、、」

『！(ビクッ)、、へへーっ、、、うん、、、うん、ゆうなたんは、、しゅきで、、いてもいい？(うるうる)』

「違っ！そーいうことじゃ、(ガチャッ)」

増井「宮ー、優奈もう寝たー？って優奈、どしたのー？」

『ましゅいしゃん！！(ギュッ)』

「増井さん、、、」

増井「どうしたの？何があったの？」

「あの、、ゆ」『こあいゆめ、みておめめあいたのー(泣いてるのに笑顔)』

増井「そっかー、じゃージュースでも買いに行ってくるー？？」

『りんごしゃん！！』

増井「じゃー、さっきまで金子さんと居て今も近くに居るだろうから迎えに来てもらおうねー」


マックさんはすぐに来て、俺の肩を軽く叩き、優奈を連れて出て行った。


(続く)

2→←2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す