まだまだ妹、溺愛される４ (ページ39)

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兄として　1 ページ39

谷口雄也side

「こっちで一緒に照史君たち見よ？」

『…………いー、』

病室の窓際に置かれてるベンチの上に立って雲一つない空を見上げる優奈。

泣くでもなく、怒るでもない…。

いっそ感情を荒立ててくれる方が楽なんかもしれん。

ウチが引き取った時にはもう難治性と言われるほどに酷くなっていた小児喘息。

少しの運動で誘発されてしまうから同じ年ぐらいの子どもと同じように走ることは出来ない。

気管支拡張剤は手放せないし、もちろん運動制限もある。

過度のストレスが原因になる事もあるから、うまく言えなくてストレスを溜めては発作という形で爆発させて仲間に迷惑ばかりかけた時期もあった。

それでも何とかここまでやってこれたのは、その仲間が温かく受け入れてくれたから。

一人では何も出来ない事を実感して、仲間の大切さを知った。

そして支えて貰ってばっかりな俺が、今こんな優奈を前にして何が出来るんやろうか。

ここまで健康に産んでもらって、やりたいことをして生きてきた俺には今優奈が何を考えてるか分からなくて迷路に迷い込んだようで、、、。

支えないとダメな俺までこの長引く入院に心が折れそうになっていた…。

(続く)