妹、溺愛される ２

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谷口雄也side

鍵谷さんから衝撃の話しを聞かされた。

困ったことがあったら何でも言って下さい、と言ってよく働くように見えていたので信じ難かったけど、鍵谷さんの仮定に優奈に異変を感じた時期を照らし合わせると、ピッタリ合う。

宮さんも思い当ったようで、すぐに対策を考えてくれた。

とりあえず逃げられないように、優奈を守りつつ証拠集めをすることに。

3人でと思っていたけど、このこと知った奨太さんと増井さんも協力したいと言ってくれた。

数日間でスタッフに対する態度をカメラに収めることは出来たけど、優奈に対してのものは中々撮影出来なかった。

さらに何日か過ぎた時に決定的瞬間が。


青木「何回も言ってるよね？早く皆にバイバイって言えよ」

『……』

青木「お兄ちゃんも言わないだけで邪魔だって思ってるし、他の選手もあんたと遊ぶぐらいなら練習したいって言ってるよ？」


子どもに向ける言葉とは思えない程に辛辣な言葉で嘘の話ばかりされていた。。

すぐにでも飛び出したかったけど、傍にいた鍵谷さんにこれからの優奈のために耐えろとカメラを構えていない方の腕で引かれた。

俺も鍵谷さんも掌に爪がくい込んでいた。

充分な程優奈に対して罵声を証拠としてカメラに収めることが出来、協力してくれていた選手も揃ったので、ドアを開け優奈に駆け寄った。

「優奈！ごめんな…、ホンマに、ごめん(泣)」

優奈が声も出さずに泣いているのを見て、抱きしめながら罪悪感で涙腺が崩壊した。


青木さんに言いたいことはいっぱいあったはずやのに、優奈を抱き締めて謝ることしか出来へんかった。

あまりに取り乱す俺と優奈を鍵谷さんが連れ出してくれた。


俺が落ち着くまで、傍にいて俺の肩を抱き、謝る俺を不思議そうに見る優奈に話しかけ続けてくれた。


青木さんの今までの態度や優奈に対する暴言については、宮さん達がしっかりケリを付けて、証拠と共に球団側に報告してくれた。

当然その場でクビになり、後々説明を受けた他の選手も驚きはしていたけど、誰も庇うことはなかった。



あの後優奈は更に我慢強くなってしまって大変やったけど、今回協力してくれた選手達を中心に“優奈のことが大好きだ”って伝え続けてくれた。


辛い思いさせてごめんな…、兄ちゃんもっと頑張るから、嫌いにならんとって…。


それから、顔上げて周り見てみ？

素敵な人達に囲まれてるから…

幸せはすぐそこにいっぱい待ってるはずやから…。

end

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