03.栗きんとん ページ3
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翔「あっはは！(笑) それでニノのお金で日替わりランチ食ってんだ？」
「そんなに笑わないでください…。午後も大変なんですよ…」
翔「いやー、面白い。栗巻とニノの話」
「どこがですか…、最初自己紹介した瞬間、なんて言われたか分かります？」
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和也『栗巻A？栗きんとんみたい』
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翔「でた！栗巻からどうやって栗きんとんが出てくるんだよっつー！(笑)」
「それから飲みにいくと必ず栗きんとんはないねー、残念だねーって笑われるんです…他の部署の方からも…」
翔「ニノの発言力と拡散力は凄いからね。もう栗きんとんで生きていくしかないよ」
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くはは！と声を上げて笑う、可愛らしいこの人は同じ部署の先輩、櫻井翔さん。
どうやら二宮さんと同期で、デキル二人として一目置かれていたらしく
そんなお二人はプライベートも仲がいいらしい。謎だ。こんないい人と、あんな鬼が仲良いなんて。
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二宮さんから頂いたお金を握って日替わりランチを頼んで席を探していると
たまたま目がいった場所に、櫻井さんがいて手を振られてそこの席に腰を下ろしたが最後
いじられる羽目に。
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櫻井さんがラーメンに七味唐辛子を振りかける。
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翔「まあさ、栗巻もちゃんと仕事はできてるし」
「…櫻井さんだけです、褒めてくださるのは」
翔「そう？ニノも褒めてると思うけどね」
「っどこがですか！貶されてばっかりですよ！」
翔「まあそのうち分かるよ(笑)。でも栗巻だってニノのこと嫌いなわけではないでしょ？」
「…尊敬してます」
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ふと脳裏に思い浮かぶ。
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ーーー…あれは入社して間もない頃。
元々二宮さんがプロデュースしてた企画に思いもよらぬミスが見つかって
どうしようもない、って部全体が慌てた時。
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和也『…栗巻、ちょっと待ってろ』
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隣でベシベシ私の頭を叩いてた二宮さんが、急に立ち上がって
メガネを外してミスを起こしてしまった人に駆け寄って、しばらく話し込んだ後
私は何が何だか分からなかったからチラチラ様子見をしながらパソコンをカタカタしていたんだけど
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翌日。二宮さんが見事、ミスを綺麗に掃除したと聞いた。
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