8.急いで来たのは ページ8
.
.
深夜2時。
少し急いで仕事を終わらせて、喫煙室に向かった。
でも来る時間帯になってもユンギさんの姿は無い。
今日はいないんだ。
少し味気なく感じるタバコの火を消して出ようとした瞬間だった。
少し軋んだ音を立てて開いたドアの先には
『……まだいた…』
平然を装ってきたのだろうけど、少し息が上がっているユンギさん。
走ってきてくれたのかな、なんて。
「ちょうど今吸い終わったとこです。お疲れ様です」
今日はもう残念ながらタバコも今ので無くなってしまったし、ここにいる理由もないから帰ろうと扉に手をかけた時だった。
『………A、、、さん』
「……?」
少しの沈黙を経て一本のタバコが突き出された。
『もう一本吸っていきませんか』
なんでこんなこと言うんだろう、とも思ったけど、ユンギさんと居られるなら…。断る理由もないし。と、その細いタバコに手を伸ばした。
「こんな夜遅くまでいつも作業してるんですか?」
『…まぁそう、すね 今日は…練習だったけど。』
「ほぉ…おつかれさまです。てかこのタバコ、キツイですね、喉にくる」
『…いつもこれだから。』
「若い時からタバコ吸ってるんですか?」
『…まぁ。』
「ところでさ、女の人のタバコって…、いや、なんもないや」
あれ…なんか私ばっかり喋ってる?
もしかして、静かに吸いたい人なのかなあ、と思うほどに淡白な回答だったからあんまりしつこく話しかけてもうざがられるかな、と質問を飲み込んだ。
するとユンギ君が静かに口を開いた
『正直、女の人のタバコって…そんな好きじゃなかったけど…』
「?」
『好きな人に会える口実になるならいいかも』
少し胸がチクっと痛んだ。
.
1187人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽんず(プロフ) - こちらの作品大好きです!!ありがとうございます!! (2020年8月22日 13時) (レス) id: 7cf2b2ad2f (このIDを非表示/違反報告)
ゅゅゅ(プロフ) - ニヤニヤが止まらなかったですw更新楽しみにしてます! (2020年2月20日 12時) (レス) id: e284eaf71b (このIDを非表示/違反報告)
イチゴの種 - ユンギが煙草とか最高 ニヤニヤしながら読みました (2020年2月16日 12時) (レス) id: 9dd1ae5f03 (このIDを非表示/違反報告)
jm_31(プロフ) - ユンギ×煙草とオラ系×ジミンという全てが最高の組み合わせのお話を作っていただき感謝…更新楽しみにしてます!、! (2020年2月16日 3時) (レス) id: fb594a4cd4 (このIDを非表示/違反報告)
むげん(プロフ) - あのさん» わぁぁあ(*_*)そんな時からフォローしてくださってたのですね(´;ω;`)嬉しくてちょっと泣きそうなりました、、、全然浮上してなくてすみません泣 ご心配おかけしました!ありがとうございます!! (2020年2月16日 3時) (レス) id: 186beec9c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:むげん | 作成日時:2020年2月12日 4時