TOY BOX！

答えはまだ夜に隠して【kzh】 ページ8

　
　
　
　
「あ〜、くーちゃんだぁ」



"おもしろいもの見れるからおいで"そんなLINEが届いたのは深夜1時前。散々迷ったものの来てみれば完全に出来上がったAがいた。



「おい叶、これどういうこと」



あはは、なんて言いながら腰に抱きついてくるAを無理やり引き剥がす。ひど〜い、なんて言って泣き真似をしているが無視だ。



「さっきまで何人かいたんだけどもういい時間だしってみんな帰っちゃって」

「この酔っぱらいを押し付けられたと」

「ふふ、そして葛葉に押し付けようかと」

「お前さぁ、」



はぁ、と大きな溜息がでたのは言うまでもない。乱雑に置かれたグラス達が今までどれだけ飲んでいたのかを物語っている。



「Aちゃんなんだかペース早かったから酔っちゃったみたいでさ。流石にこのまま放ってもおけないしタクシー呼ぼうか？って聞いたんだけど葛葉呼んでって聞かなくって」

「んだよそれ」

「ほらAちゃん、葛葉来たよ。もう帰ろうね」



限界なのだろう、顔を両手で覆いテーブルに突っ伏していたAを優しく叶が揺さぶるが当の本人はう〜う〜と唸っている。



「置いて帰ろうぜ」

「そんなこと言わないの。Aちゃん起きて」

「うぅん、やだぁ。帰りたくないよぉ」

「そんなかわいこぶっても駄目だからね」

「叶くんの意地悪」



そう言って駄々こねるように叶に抱きつこうとするから思わず腕を引いてしまった。



「うぇ？なにどしたの？」

「え、いや、あ、ｯｽーーー」

「うん？」



突然の俺の行動にAはその大きな瞳をぱちくりとしているしその横で叶は今にも吹き出しそうに笑いを堪えている。



「…椅子から落ちそうで危なかったから」

「そーなの？ありがとね」

「っふふ、くーちゃん優しいねぇ」

「おいくーちゃん言うな」



ニヤニヤと笑う叶を睨むも当たり前だが気にする様子はない。AはAで何が楽しいのかニコニコしていた。
　
　
　
　
　

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