・ ページ7
ばにを巻き込んだのは私だ。私なんだけど!だって、ねぇ?いくらばにだからといっても、フリとはいえ恥ずかしいじゃん!でも協力してもらっているのも事実。私の頭の中はごちゃごちゃだ。その間も先輩はこちらをじっと見ている。
えぇい女は度胸、と自分に言い聞かせて覚悟を決めばにを見上げればまるで愛おしいものを見るような瞳で私を見つめていた。私達本当に恋人なのかも、となんだか錯覚しそうになる。
少し背伸びをしてばにの瞳から逃げるように目を伏せその唇へと近づける。ギリギリのところで止めようとした。止めようとした、のだけど
「んっ?!〜〜っ、は、ぅんっ」
後頭部にばにの大きな手がまわされ引き寄せられる。唇から伝わる熱。私、ばににキスされてる。
「〜〜〜〜〜っ、ば、に!」
どんどん、と力の入りきらない手でばにの胸を叩けばゆっくりとその唇が離れる。
「なぁに?」
「な、な、なんで、」
「Aの先輩帰ったみたいだよ、これで付き纏われることもなくなるんじゃない?」
さっきまで先輩が居た場所を見れば確かにもう居なくなっていた。きっともう私に言い寄ってくることもないだろう。
「ほんとだ。あ、ありがとね」
「うん」
「で、でも!なんで、ほんとに、その、」
上手く言葉にならない。じわじわと顔に集まる熱に、爆発しそうなくらい早く鳴る心臓の音。なんでだろ、なんだかばにの顔がまともに見れないや。
「Aが俺の事意識してくれたらいいなって」
「へ?」
さらりと髪を撫でられ、自然と瞳がかち合ってしまう。
「俺も一応男だからね」
妖艶に笑うばにがあまりにかっこよくて、キラキラと星が降っているみたいだった。目を擦ってもそのキラキラは消えなくて。あれ、おかしいな。
どうやら私、ばにに恋してしまったみたい。
君に星が降る
Thank you , my friends!
593人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
たす(プロフ) - ?さん» 表現の仕方が素敵だなんてとっっっても嬉しいです〜😭ありがとうございます🫶🫶のろのろ更新ではありますが頑張ります〜! (5月1日 18時) (レス) id: 9e8649dc81 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - たす様の書く文章の表現の仕方がとても素敵で、毎回楽しく読ませていただいています🫶🏻🫶🏻これからもお体に気を付けて更新頑張ってください〜! (4月30日 19時) (レス) id: f6c1f6723a (このIDを非表示/違反報告)
たす(プロフ) - さんかくさん» 年下だからこその真っ直ぐで押せ押せな感じを書きたくて作った話なのでそう言って頂けて嬉しいです〜!何度も読み返していただけてるのもほんと嬉しい限りです😭😭こちらこそいつもありがとうございます…! (3月24日 23時) (レス) id: 9e8649dc81 (このIDを非表示/違反報告)
さんかく - いけいけごーごーのdrmさんとても新鮮で鼻血でそうです(年下好き)、幾度となく読み返してるこの短編にまた新しいお話が増えて純粋に嬉しいです!今回のお話も何回も読んで噛み砕いてにやにやしたいと思います、いつもありがとうございます☺️ (3月24日 19時) (レス) @page35 id: 035bc710b7 (このIDを非表示/違反報告)
たす(プロフ) - さんかくさん» そんな風に言って頂けるなんて遅刻だろうとお誕生日話更新してよかったです…!こちらこそいつもコメントに救われてます!!今回はちょっぴり幼さの残る夢主ちゃんにしてみました😊嬉しいです、ありがとうございます! (11月8日 23時) (レス) @page27 id: 9e8649dc81 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:たす | 作成日時:2023年6月18日 21時