TOY BOX！

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「あの、痛そうなんで離してもらっていいすか」

「ばに、」



ずっと黙っていたばにが先輩を遮るように私の前に立つ。ばにに凄まれたのに驚いてか先輩の手が私の腕から離れた。うわ、これ絶対手の跡残ってるよ。



「俺のAに近寄らないでもらえます？」



そして挑発するような物言い。そんなこと言えたの、なんてなんだか変な気持ちになる。



「んだと、」

「Aに付き纏ってるみたいなので。それから俺達が恋人じゃないってなぜか疑われているようですけど、」



ぐいっと腕を引かれる。近づく距離、目の前には悪戯っぽく笑うばに。なんとなーく嫌な予感がする。



「な、なに」



警戒心MAXで尋ねるとばにの手が私の頬に優しく添えられふに、と親指の腹がその感触を確かめるように唇をゆっくりとなぞる。



「いつもの、してよA」

「っ、」



耳元で響く甘い低音に思わず肩が跳ねた。いつもの、って。え、いや、待て待て待て。うん？いや分かるけどさ、分からないほど鈍感じゃないけどさ。冗談？それとも本気？わかりやすく狼狽える私にばには笑う。



「いつもはしてくれるやん、人前だと恥ずかしい？」

「は！？」

「ほら、A」



何を！言っているんだ！お前は！意地悪く笑うばにになぜだか心臓の音が早くなる。


そして抱き寄せるように引き寄せられ、フリでいいからと耳元で囁かれる。ちらり、先輩を見ればこちらを睨みつけるように怖い顔をしていた。
　
　
　
　
　

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