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好き、なんて愛の言葉を発した割にだるまくんがこちらを見ることはなく、先程まで遊んでいた目の前にあるゲーム画面を見つめていた。続く言葉があるのかと思ってしばらく待ってみたけれど特になくて、私達の間には沈黙が流れた。
「……えっと、」
「ごめんやっぱ忘れて」
「へ、…あ、うん」
「…」
戸惑う私にだるまくんは淡々と言う。視線は依然ゲーム画面を向いたままだ。どうしたらいいのだろう。
「きょ、今日はもう帰ろうかな」
なんとも言えない空気につい耐えられなくなってソファから立ち上がろうとした。けれどそれを阻むように手首を掴まれる。
「…なんで帰んの」
「なんでって、」
「いつももうちょいおるやん」
「いや、そうだけど…」
なんなんだ、どうしたいというのだ。というか帰る原因はお前だよ馬鹿、そんなことを思っていればきゅ、と手首を掴む力が強まった。そしてその蜂蜜色の瞳と視線が交わる。
「俺と居るん嫌？」
その酷く不安そうな声に泣いているのかと思った。けれど、彼の目元は濡れていなくて、それになぜだか少しだけ安心した。
「別にそういうことじゃないけど」
「うん。めんどい聞き方した、ごめん」
そう言ってまた黙ってしまった。しかし手首は掴まれたままである。なんだか迷子になった小さな子供みたいだ。
「…もうちょっとだけお邪魔しとこうかな」
よいしょ、なんて言いながらソファに深く沈むように座り直す。だるまくんの視線が下を向いてしまったので、髪に隠されて表情は見えなくなってしまった。
「…例えばなんやけど、」
「うん」
「ど、ドラマとか漫画みたいな告白やとときめく？」
「はい？」
ちょっと上ずったような声で斜め上を行くような問いが投げかけられる。ただ本人は至って真剣なようで、私の手首を掴むその手は微かに震えていた。そしてどこか決意したように言う。
「Aさんは、そういう男のが好き？」
いじらしくてかわいいな、なんて。かわいい、とか男の人に言えばあまりいい顔をされないのはわかっているが、それでも思わず言ってしまいそうになるくらいには胸にくるものがあった。
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たす(プロフ) - ?さん» 表現の仕方が素敵だなんてとっっっても嬉しいです〜😭ありがとうございます🫶🫶のろのろ更新ではありますが頑張ります〜！ (5月1日 18時) (
レス) id: 9e8649dc81 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - たす様の書く文章の表現の仕方がとても素敵で、毎回楽しく読ませていただいています🫶🏻🫶🏻これからもお体に気を付けて更新頑張ってください〜！ (4月30日 19時) (レス) id: f6c1f6723a (このIDを非表示/違反報告)
たす(プロフ) - さんかくさん» 年下だからこその真っ直ぐで押せ押せな感じを書きたくて作った話なのでそう言って頂けて嬉しいです〜！何度も読み返していただけてるのもほんと嬉しい限りです😭😭こちらこそいつもありがとうございます…！ (3月24日 23時) (レス) id: 9e8649dc81 (このIDを非表示/違反報告)
さんかく - いけいけごーごーのdrmさんとても新鮮で鼻血でそうです(年下好き)、幾度となく読み返してるこの短編にまた新しいお話が増えて純粋に嬉しいです！今回のお話も何回も読んで噛み砕いてにやにやしたいと思います、いつもありがとうございます☺️ (3月24日 19時) (レス) @page35 id: 035bc710b7 (このIDを非表示/違反報告)
たす(プロフ) - さんかくさん» そんな風に言って頂けるなんて遅刻だろうとお誕生日話更新してよかったです…！こちらこそいつもコメントに救われてます！！今回はちょっぴり幼さの残る夢主ちゃんにしてみました😊嬉しいです、ありがとうございます！ (11月8日 23時) (レス) @page27 id: 9e8649dc81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たす | 作成日時：2023年6月18日 21時
