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「なにその顔」

「いや、ちゃんと俺のこと彼氏やと思ってたんやなって…」

「はぁ?付き合おうって言ってくれたのだるちゃんじゃん!」

「それはそやけど…」



だるちゃんにしては珍しくごにょごにょと言い淀んでいた。え、もしかして恋人になったと思っていたのは私だけだったってこと?なにそれ恥ずかしすぎる。



「…だるちゃんは私のことまだ、ただの幼なじみだと思ってたんだふーん」

「いや、それはちが」

「嬉しかったのに」

「、」

「そっかそっか、通りで触れてくれないと思った」

「……は?」



あまりにも健全な、健全すぎるお付き合いだからてっきりそういう欲がないのかと思っていた。そんな相手に強請って引かれちゃったら嫌だし、とか私なりの乙女心をなんだか弄ばれた気分だ。



「そりゃあ手だすとかもないよね」

「……」

「そういうことだったんだ、っ?!」



喋らなくなったと思ったら手首を捕まれそのままソファの上で組み敷かれた。あまりの一瞬の出来事に、今度は私が目をパチクリとさせる番だった。



「よくそんなこと言えんね、お前」

「へ?」

「無防備にくっついてきたりするくせに俺から近づいたら途端に警戒してたやん」

「な、そんなことは、」

「ないって言える?あぁ、それとも無意識やった?」

「っ」



私を見下ろす金色の瞳は少しの怒気と確かな欲に濡れていて、こちらを伺うその視線がどうしようもなく蠱惑的だった。


別に警戒とか、してたつもりはない。確かに言われてみれば、つい身構えちゃったりしてたのかもしれないけど。



「……別にそんなの、気にしてくれなくたってよかったもん」

「はぁ。……わからん?」



だるちゃんは呆れた顔でわかりやすく大げさにため息をついた。



「……なにが」

「俺はAが嫌がることはしたくねーの」



そう言って髪を撫でられる。その優しい手つきがどうにもむず痒かった。嫌なわけなんてないのに、馬鹿だな。



「嫌なわけないじゃん」

「…そんなん言ったらもう逃げれんよ?」



そう言ってだるちゃんのその端正な顔が近づいてくる。バクバクと心臓の鼓動が早まるのが分かる。


鼻先が触れそうな距離で、目閉じやんの?、なんて言われて反射的にぎゅ、と瞼を閉じれば唇に柔らかいものが触れた。


そしてその口づけはどんどんと深いものへと変わっていく。
 
 
 
 
 

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たす(プロフ) - ?さん» 表現の仕方が素敵だなんてとっっっても嬉しいです〜😭ありがとうございます🫶🫶のろのろ更新ではありますが頑張ります〜! (5月1日 18時) (レス) id: 9e8649dc81 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - たす様の書く文章の表現の仕方がとても素敵で、毎回楽しく読ませていただいています🫶🏻🫶🏻これからもお体に気を付けて更新頑張ってください〜! (4月30日 19時) (レス) id: f6c1f6723a (このIDを非表示/違反報告)
たす(プロフ) - さんかくさん» 年下だからこその真っ直ぐで押せ押せな感じを書きたくて作った話なのでそう言って頂けて嬉しいです〜!何度も読み返していただけてるのもほんと嬉しい限りです😭😭こちらこそいつもありがとうございます…! (3月24日 23時) (レス) id: 9e8649dc81 (このIDを非表示/違反報告)
さんかく - いけいけごーごーのdrmさんとても新鮮で鼻血でそうです(年下好き)、幾度となく読み返してるこの短編にまた新しいお話が増えて純粋に嬉しいです!今回のお話も何回も読んで噛み砕いてにやにやしたいと思います、いつもありがとうございます☺️ (3月24日 19時) (レス) @page35 id: 035bc710b7 (このIDを非表示/違反報告)
たす(プロフ) - さんかくさん» そんな風に言って頂けるなんて遅刻だろうとお誕生日話更新してよかったです…!こちらこそいつもコメントに救われてます!!今回はちょっぴり幼さの残る夢主ちゃんにしてみました😊嬉しいです、ありがとうございます! (11月8日 23時) (レス) @page27 id: 9e8649dc81 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たす | 作成日時:2023年6月18日 21時

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