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「うーん、それは宜しくないね」
「それは、まぁ……うん」
「俺だって怒るよ?」
「でもさぁ、」
「でもぉ?」
「う、アクシアくんまで怒んないでよ…」
いけない、つい語気が強くなってしまった。
「どうしてローレンが怒ったのかはAちゃんもわかってるんでしょ?」
「そりゃああんな顔されたら嫌でもわかるもん…」
「じゃあ後はさっさと謝りなね」
「…それができたら苦労しないんだってばぁ」
「そこは頑張りなよ」
ばたん、と机に伏せてAちゃんは唸っている。多分喧嘩したとき、折れて謝るのはいつもローレンなんだろうな。
なんだかんだあいつは優しいし惚れた弱みってやつもあるだろうからね。だけど今回の件ローレンは折れないんじゃないかな。まぁそれはAちゃんもわかっているんだろうけど。
「よし、もう今日は飲む!」
「いつもでしょそれは」
お待たせしました!と元気よく店員さんが持ってきてくれたビールをぐびぐびとAちゃんは勢いよく飲んだ。俺知ーらね、と思いながらも先程から連絡が来ていたメッセージに返事をしておいた。
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――――――――
――
「アクシア」
「え、」
「あ、ローレン」
二軒目行こうよアクシアくん、とはじめとは打って変わって上機嫌に店を出たAちゃんだったが、ぽかんとした顔からみるみると苦々しい表情になる。そしてやりやがったな、と声が聞こえてきそうなジト目でこちらを睨んできた。気にしないんだけどね。
ローレンはというとゆっくりと白い煙を吐き、吸っていた煙草を灰皿に押し潰した。
「世話かけた、ありがとな」
「喧嘩も程々にね」
「は?は?」
「帰んぞ」
「え、いや、帰んないんですけど!ちょ、ちょっと!ね、アクシアくん!」
「じゃあね〜」
「薄情者〜!!!」
抵抗するAちゃんをずるずるとローレンが引きずるようにして、2人はネオン輝くエデンの夜へと消えていった。さ、俺も帰りますか。
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たす(プロフ) - ?さん» 表現の仕方が素敵だなんてとっっっても嬉しいです〜😭ありがとうございます🫶🫶のろのろ更新ではありますが頑張ります〜! (5月1日 18時) (レス) id: 9e8649dc81 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - たす様の書く文章の表現の仕方がとても素敵で、毎回楽しく読ませていただいています🫶🏻🫶🏻これからもお体に気を付けて更新頑張ってください〜! (4月30日 19時) (レス) id: f6c1f6723a (このIDを非表示/違反報告)
たす(プロフ) - さんかくさん» 年下だからこその真っ直ぐで押せ押せな感じを書きたくて作った話なのでそう言って頂けて嬉しいです〜!何度も読み返していただけてるのもほんと嬉しい限りです😭😭こちらこそいつもありがとうございます…! (3月24日 23時) (レス) id: 9e8649dc81 (このIDを非表示/違反報告)
さんかく - いけいけごーごーのdrmさんとても新鮮で鼻血でそうです(年下好き)、幾度となく読み返してるこの短編にまた新しいお話が増えて純粋に嬉しいです!今回のお話も何回も読んで噛み砕いてにやにやしたいと思います、いつもありがとうございます☺️ (3月24日 19時) (レス) @page35 id: 035bc710b7 (このIDを非表示/違反報告)
たす(プロフ) - さんかくさん» そんな風に言って頂けるなんて遅刻だろうとお誕生日話更新してよかったです…!こちらこそいつもコメントに救われてます!!今回はちょっぴり幼さの残る夢主ちゃんにしてみました😊嬉しいです、ありがとうございます! (11月8日 23時) (レス) @page27 id: 9e8649dc81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たす | 作成日時:2023年6月18日 21時