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重い瞼を開けて、まず目に飛び込んだのはさらさらと重力に従って流れていた銀髪とこちらを見つめる金色の瞳。そして次に感じたのは、動かせばがちゃがちゃと音が鳴るひんやりとした何かが触れている足。
布団をめくって、視線を下へと向ければその正体である足枷が見えた。
「だるまさ、ねぇ、これなに、」
「んー？」
声が上手く出てこない。それはきっと寝起きという理由だけではない。だるまさんはよいしょ、と隣で身体を起こす。
「これ、取ってよ」
「だーめ」
「な、んで」
「はじめは動きにくいやろうけどそのうち慣れるやろ」
「答えになってな、」
「A、」
「なに、っんん」
静かに唇を塞がれて困惑する。そんな私をお構いなしに優しく唇を喰まれる。それはまるで口を開けろとでも言われているようだった。少し口を開けば舌を絡めとられる。
静かな部屋に私の鼻から抜けるような甘い声だけが響いていた。悪戯に私の口内を蹂躙して遊んだ後、ようやく彼の顔が離れた。
「ゆっくり待とうと思てたんやけどなぁ」
「っはぁ、は、」
呟かれたその言葉は私に向けられていながら、まるで独り言のようだった。荒くなっていた息をなんとか落ち着かせる。
「ま、今更逃げられるとは思わんとくことやね」
「っ、」
ワントーン低くなった声、優しく触れるその手とはあまりにも対照的。
「お腹空いたやろ？なんか持って来るわ」
そう私の頭を撫でてからだるまさんは部屋から出ていった。
「愛されてんじゃん」
「愛されてんね」
「愛だねぇ」
ここに来てから幾度となく言われてきた言葉達。私だってはじめはそう思っていたんだ。だってずっと私のことを想っての行動だと思っていたから。
けれど違う、そんな生易しいものじゃない。
きっともう戻れない。私はこの小さな箱庭で、蝶よ花よと愛でられて生きるのだろう。あれはそう、紛れもなく捕食者の瞳だった。
足首から感じる金属特有の冷たさがその愛の重さを表していた。その重さに私はいつか、溺れてしまうのだろう。
愛故に溺死
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たす(プロフ) - ?さん» 表現の仕方が素敵だなんてとっっっても嬉しいです〜😭ありがとうございます🫶🫶のろのろ更新ではありますが頑張ります〜！ (5月1日 18時) (
レス) id: 9e8649dc81 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - たす様の書く文章の表現の仕方がとても素敵で、毎回楽しく読ませていただいています🫶🏻🫶🏻これからもお体に気を付けて更新頑張ってください〜！ (4月30日 19時) (レス) id: f6c1f6723a (このIDを非表示/違反報告)
たす(プロフ) - さんかくさん» 年下だからこその真っ直ぐで押せ押せな感じを書きたくて作った話なのでそう言って頂けて嬉しいです〜！何度も読み返していただけてるのもほんと嬉しい限りです😭😭こちらこそいつもありがとうございます…！ (3月24日 23時) (レス) id: 9e8649dc81 (このIDを非表示/違反報告)
さんかく - いけいけごーごーのdrmさんとても新鮮で鼻血でそうです(年下好き)、幾度となく読み返してるこの短編にまた新しいお話が増えて純粋に嬉しいです！今回のお話も何回も読んで噛み砕いてにやにやしたいと思います、いつもありがとうございます☺️ (3月24日 19時) (レス) @page35 id: 035bc710b7 (このIDを非表示/違反報告)
たす(プロフ) - さんかくさん» そんな風に言って頂けるなんて遅刻だろうとお誕生日話更新してよかったです…！こちらこそいつもコメントに救われてます！！今回はちょっぴり幼さの残る夢主ちゃんにしてみました😊嬉しいです、ありがとうございます！ (11月8日 23時) (レス) @page27 id: 9e8649dc81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たす | 作成日時：2023年6月18日 21時
