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外は危ないでな、それが彼の言い分だった。
元々はしがない猫カフェ店員だった私。ある日、ギャング同士のいざこざに働いていた店が巻き込まれた。赤字経営が続いていたこともあって、それを気に店は閉店することになった。
職を失い、また社宅に住んでいた私は住む場所も失うこととなり途方に暮れていた。そんな時に声をかけてくれたのが猫カフェの常連である、だるまさんだった。
明るい太陽みたいな人だな、それがだるまさんの第一印象だった。ニコニコと上機嫌に猫を撫で、コーヒーを運べば愛想よくお礼を言ってくれる。そんな、いわゆる"感じの良いお客さん"。そんな彼と世間話をするようになるまでに時間はかからなかった。大口を開けて豪快に笑い、楽しそうに話すだるまさんに自然と私も笑顔が溢れていた。
そうして日々を過ごすうちに、いつしか彼が訪れることを楽しみにしている自分がいた。そんな彼とも、もう会うことはないと思っていたのに。
一目惚れ、だったらしい。常連で印象も良くて、"答えはまだいらんからさ、心配やねん"なんて言われてしまえばもう駄目だった。まさかギャングのボスだとは思いもしなかったけれど。
それからあれよあれよという間にこのアジトに連れて来られた。初めは良かったんだ。表の世界に居た私にとっては何もかもが物珍しくて、ギャングのみんなも優しくて年甲斐もなくはしゃいでいた。
"俺もできるだけ居たいんやけど忙しい時もあるからさ。寂しくならんように"、そんな風に言って毎日私の側には誰かがついてくれていた。こんな風に過保護に、大事にされることなんて初めてだった。だから浮かれていたのだ。そして、この状況がおかしいということに気づき始めた頃にはもう遅かった。
どんなに私がお願いしても、誰一人としてこのアジトの外には決して出してくれないのだ。テレビで見たあのカフェに行ってみたい、海を見に行きたい、散歩したい、どれもこれも優しく駄目と諭される。
ごめんねぇ、とアルスちゃんに言われたときなんかは、いつもなら多少は食い下がる私もあまりに悲しそうな顔をするものだから何も言えなくなってしまった。
だから聞いたのだ、きっとその指示をしたであろうボスであるだるまさんに。
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たす(プロフ) - ?さん» 表現の仕方が素敵だなんてとっっっても嬉しいです〜😭ありがとうございます🫶🫶のろのろ更新ではありますが頑張ります〜！ (5月1日 18時) (
レス) id: 9e8649dc81 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - たす様の書く文章の表現の仕方がとても素敵で、毎回楽しく読ませていただいています🫶🏻🫶🏻これからもお体に気を付けて更新頑張ってください〜！ (4月30日 19時) (レス) id: f6c1f6723a (このIDを非表示/違反報告)
たす(プロフ) - さんかくさん» 年下だからこその真っ直ぐで押せ押せな感じを書きたくて作った話なのでそう言って頂けて嬉しいです〜！何度も読み返していただけてるのもほんと嬉しい限りです😭😭こちらこそいつもありがとうございます…！ (3月24日 23時) (レス) id: 9e8649dc81 (このIDを非表示/違反報告)
さんかく - いけいけごーごーのdrmさんとても新鮮で鼻血でそうです(年下好き)、幾度となく読み返してるこの短編にまた新しいお話が増えて純粋に嬉しいです！今回のお話も何回も読んで噛み砕いてにやにやしたいと思います、いつもありがとうございます☺️ (3月24日 19時) (レス) @page35 id: 035bc710b7 (このIDを非表示/違反報告)
たす(プロフ) - さんかくさん» そんな風に言って頂けるなんて遅刻だろうとお誕生日話更新してよかったです…！こちらこそいつもコメントに救われてます！！今回はちょっぴり幼さの残る夢主ちゃんにしてみました😊嬉しいです、ありがとうございます！ (11月8日 23時) (レス) @page27 id: 9e8649dc81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たす | 作成日時：2023年6月18日 21時
