愛故に溺死 【drm】 ページ11
※ギャングパロです。
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犯罪とドラッグが蔓延る街ロスサントス。この街のシャッターや外壁には所構わずスプレーでGODの文字が描かれている。"神"だなんて、ある種宗教まがいのものとも勘違いされるような文字。
しかしそれはこのありとあらゆる犯罪が横行する街を牛耳っているギャング、"GOD FAMILY"の象徴であった。
そんなGOD FAMLYのボスに、私は囲われている。
いつもなら誰かしらが居て、話し相手という名のおもり役をしてくれているのに夕方頃からばたばたと出払っていき、アジトに居るのはいつの間にか目の前の赤髪の男、ローレン君ただ一人になった。
「なんか今日はみんな忙しそう…?」
「ん?あー、まぁちょっとな」
ローレン君は慣れた仕草で煙草を咥えてカチカチとライターで火をつける。どこか苛立ちの滲む様子だ。そしてその苛立ちを落ち着かせる為にか、ゆっくりと白い煙を吐いた。
「ローレン君はお留守番?」
「んーや、この煙草吸ったら俺も出かけるよ」
「そうなんだ、いつ帰ってくるの?」
「んー、まぁ明日には?」
「ふーん、他のみんなは?というか何で今日はみんな忙しそうなの?」
「Aさんは知らなくていいことだよ」
「………なにそれ」
まるで仲間はずれかのような言葉に分かりやすくぶすくれた顔をすれば、拗ねんなよと頭を撫でられた。でもそれは今に始まったことではない。ここの人達はみんな優しいけれど、いつだって肝心なことは何一つ教えてくれない。
そんな事を考えていれば何やら無線が入ったようで、ローレン君は煙草を灰皿に押し潰し、ボスが帰ってくるまでいい子にしときな、そう言い残して出ていった。
訪れた静寂、そうして広いアジトでとうとう一人になってしまった。思えばこのアジトに来て数週間経つが、一人になる状況が初めてだということに今更ながら気がついた。
だって私を監視するかのように側にはずっと誰かが居たから。きっとそれはこのギャングのボスである、だるまさんの指示なのだろうけれど。
ここに連れて来られたあの日から、私は一度も太陽の下どころか月の下さえも歩いていない。
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たす(プロフ) - ?さん» 表現の仕方が素敵だなんてとっっっても嬉しいです〜😭ありがとうございます🫶🫶のろのろ更新ではありますが頑張ります〜! (5月1日 18時) (レス) id: 9e8649dc81 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - たす様の書く文章の表現の仕方がとても素敵で、毎回楽しく読ませていただいています🫶🏻🫶🏻これからもお体に気を付けて更新頑張ってください〜! (4月30日 19時) (レス) id: f6c1f6723a (このIDを非表示/違反報告)
たす(プロフ) - さんかくさん» 年下だからこその真っ直ぐで押せ押せな感じを書きたくて作った話なのでそう言って頂けて嬉しいです〜!何度も読み返していただけてるのもほんと嬉しい限りです😭😭こちらこそいつもありがとうございます…! (3月24日 23時) (レス) id: 9e8649dc81 (このIDを非表示/違反報告)
さんかく - いけいけごーごーのdrmさんとても新鮮で鼻血でそうです(年下好き)、幾度となく読み返してるこの短編にまた新しいお話が増えて純粋に嬉しいです!今回のお話も何回も読んで噛み砕いてにやにやしたいと思います、いつもありがとうございます☺️ (3月24日 19時) (レス) @page35 id: 035bc710b7 (このIDを非表示/違反報告)
たす(プロフ) - さんかくさん» そんな風に言って頂けるなんて遅刻だろうとお誕生日話更新してよかったです…!こちらこそいつもコメントに救われてます!!今回はちょっぴり幼さの残る夢主ちゃんにしてみました😊嬉しいです、ありがとうございます! (11月8日 23時) (レス) @page27 id: 9e8649dc81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たす | 作成日時:2023年6月18日 21時