TOY BOX！

貴方日和、ソファに沈む【drm】 ページ1

　
　
　
　
ずっと楽しみにしていた水族館デートは、台風のせいで発令された暴風大雨洪水警報によって白紙になった。



「おもんないおもんないおもんない」

「おもんないなぁ」

「ねぇまじでおもんない！！」

「おー」



ソファに寝転がっている彼氏、もといだるま。気の抜けた返事にソファで寝転がった状態から動かないことを見るにすっかりオフモードである。



「ちょっと聞いてんの？てかなんなら外でなくてすんでラッキーとか思ってない？！」

「……んなことおもってへんて」

「ねぇその間なに！！」

「うるさ」

「はぁ？！」

「しゃーないやん、警報で水族館も閉まっとるんやろ？」



正論を言われて自然と顔がふくれっ面になる。台風接近のニュースからして嫌な予感はしていた。していたんだけど、まさか警報が出るレベルで近づいてくる予定じゃなかったじゃん！


本当なら今頃だるまの車の助手席にメイクはばっちり、髪もゆるく巻いて新しく買ったワンピースに身を包んだ私が乗っているはずだったというのに。それがどうだ、すっぴんに適当に纏めた髪、それからだるだるの部屋着状態だなんて。


出不精のだるまにしては珍しく了承してくれた水族館デートだった。いや、それなりにいろんな攻防はあったし、ゴネにゴネ倒したけれども。それでもせっかく折れてくれたのに。


黙り込んで何も言わなくなった私が気になったのかだるまは身体を起こしてこちらを向く。そして私の腕を引き向かい合わせに膝に乗るように促してきた。
　
　
　
　
　

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