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「はぁ……はぁ、っ…はぁ……」
階段の踊り場まで全力で走らされて、体力のない俺は息切れで、呼吸を調えるのに必死。
大ちゃんは、伊野尾ちゃんごめんね〜、って背中を摩ってくれるんだけど、その摩り方が強くて、逆に苦しいというか。
薮は頭をぽんぽんってしてくれて、大丈夫か?って心配そうに聞いてくる。
山「嗚呼、伊野尾ちゃんごめんね? いきなり走って…大丈夫?」
「だ、だい、じょぶ…」
山「無理して喋んなくて大丈夫だから。ゆっくり深呼吸して」
「ぅ、うん…」
申し訳なさそうに俺の顔を覗き込んで、背中を摩ってくれる。
幾分か落ち着いて、へにゃへにゃとその場に崩れ落ちてしまった。
有「伊野尾ちゃんには、早すぎちゃったね」
「ごめ…大丈夫だから。最近運動してなかったし、運動不足なだけ」
薮「ちょっとは普段から運動しろよ? ひょろひょろして危なっかしい」
山「それ、薮ちゃんに言われたくないでしょ。薮ちゃんも同じくらいひょろひょろなんだから」
薮「伊野尾よりは筋肉とか体力あるから大丈夫だわ」
大ちゃんに立たせてもらって、お尻についたほこりを落としていると、不意に掴まれる腕。
山田くんかなって思って顔を上げたら、全く知らない人。
ふぇ…誰…。
「すみません姫! 文化祭実行委員のものです! 山田くん、少し姫をお借りします!」
「へ!? え? ゎ、ゎぁぁあっ」
山「い、伊野尾ちゃん!!?」
数人の男の子たちに担がれて、廊下を全力で走っていく。
山田くんたちも追いかけてくるけど、人が多すぎて、全然追いついてこない。
俺を担ぐ男の子達の腕には、実行委員の紋章。
本当に文化祭実行委員の子達なんだ。
でも、なんで俺は担がれてんの?
「姫、すみません。突然このようなことを…」
「い、いえ…」
ついたのは体育館のステージ裏。
っていうか俺、今、衣装のままなんだけど。
…メイド服。
はやく着替えたい…。
「姫の着替えはここにあります」
「えっ、ありがとうございます…」
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いさなみかおり(プロフ) - めっちゃキュンキュンします///続き、楽しみにしてま〜す! (2017年6月10日 16時) (レス) id: 487709c8de (このIDを非表示/違反報告)
佳(プロフ) - kaedeik622さん» コメントありがとうございます!更新停滞してますが、楽しんでいただけるよう頑張りたいと思います(^^) (2017年6月3日 13時) (レス) id: f97d475271 (このIDを非表示/違反報告)
kaedeik622(プロフ) - この話大好きです!更新待ってます!頑張ってください! (2017年5月21日 13時) (レス) id: 170c923ed8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佳 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/ke_i_817
作成日時:2017年3月19日 22時