はやく気づけ(yb×in)

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隣で歌っている伊野尾を見ると真剣な表情。

普段の仕事もその位真剣な表情だったらいいんだろうけど、へらへらしてるのが伊野尾、みたいになってきてるからな。

本当は凄い真面目だっての分かってるんだけど。



伊｢薮｣

｢ん？｣

伊｢ここ、もう一回やっていい？｣

｢おう、いいよ｣

伊｢じゃあちょっと前からね…ここから｣

｢ここな、おっけ｣



指示されたフレーズをもう一度歌う。

俺より高い声が良い感じに俺の声と重なる。

最近、歌う時に息も混じえて歌うようになってきたから、歌い方に色気がある。

フレーズを歌い終わるとありがとうとヘッドホンを外す。

満足したのか。

俺も結構今のは満足したから良いけど。

二人でブースに戻ると入れ違いに光が入った。

他のメンバーはくつろいでて終わったメンバーとかはすでに帰っていたりした。

時間を見ると昼の時間はとっくに過ぎていた。

この時間帯なら店もそんなに混んでないだろうな…、と考えていれば服の裾を引っ張られる。

見れば伊野尾と大ちゃんで、ねぇねぇとまた服の裾を引っ張ってきた。



｢なに、どうした？｣

伊｢お腹空いた！｣

有｢なんか食べよ！｣

｢いいけど…光が終わってからな｣



そう言えば周りを見渡して手を挙げて振る伊野尾。



伊｢…ぁ、たかぎ〜！ お昼食べに行かねぇ？｣

高｢お昼？ いいよ｣

有｢BEST皆んなでお昼〜！｣



お昼お昼と伊野尾と大ちゃんがはしゃいでいる。

子どもか。

BESTの中でも二人は子どもっぽいけど。

高木も俺達の方に寄ってきて伊野尾の隣に来たと思ったら頬を摘んでふにふにと触っている。



高｢また、たか"ぎ"って言った。"ぎ"じゃなくて、"き"、だよ？｣

伊｢ふぇ？ ん〜…たかぎ！｣

高｢たかき｣

伊｢たかぎぃ｣

高｢伊野尾くんって舌っ足らずだよね｣

伊｢なんだよたかぎ〜、ばかにしてんのかぁ？｣



確かに伊野尾は舌っ足らずだ。

そんなところが可愛い。

が、とりあえずそこを離れろ高木。

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