有名役者は氷の呼吸を使うらしい。【鬼滅の刃】参

99話 真剣勝負 ページ12

.......






落ち着いた、どこか幼い、品のある声が響く。

.......この声は....







A｢こ、胡蝶さん！｣





胡蝶｢もう訓練に取り組んでいるのですね。

感心です。｣







にこやかな笑みをこちらに向ける胡蝶さん。
.....だが、どこか、ﾋﾟﾘﾋﾟﾘしている。


胡蝶さんは、訓練を受ける私のために、
蝶屋敷の被衣を貸してくれた。
これがなければ、私は訓練することも、
外に出ることもできないままだったのだ。

義勇さんが用意してくれるまでは
貸してくれるらしい。
本当にありがたい。









胡蝶｢.....Aさんがやったのですか？

この水溜まりは。｣





A｢っ、すみません！！

床に染みてしまいますよね....｣





胡蝶｢いえ、大丈夫ですよ。

ここは立派ですので。


....うんうん、
この水溜まりを見る限り、
訓練は順調......のようですね。｣






A｢......はい。｣







義勇さんの手当を終えたであろう胡蝶さんが、
わざわざ訓練の場所まで出向いてくれた。

それだけで、頭を下げたい想いだ。


.....彼女の一番嫌っているであろう
鬼になってしまった私は
彼女にどういう顔をすればいいのか分からない。



....




ん？



.....ていうか、


まって、








勝負って言った！？






.....


軽くパニックを起こしている私を気にせずに、

胡蝶さんは、私の向かいに座り込んだ。









胡蝶｢【真剣】勝負、ですよ。

Aさん。｣






A｢.....はぃ。｣









.....強制的に、やるしかないらしい。









あおい｢.....では、いきます！





【はじめ！！！】｣









ﾀﾞｧﾝ!ﾊﾟｼｯ!!









A＆胡蝶｢！｣








胡蝶(.......今のは取れたと思いましたが....！)

A(はっや！！)







今までの人達とは比にならないほどの速さ！！
風を切るように早い！
その勢いで他の湯呑みをぶちまけてしまいそうだ。






ﾀﾞｧﾝ!ﾊﾟｼｯ!!ﾀﾞｧﾝ!ﾊﾟｼｯ!!ﾀﾞｧﾝ!ﾊﾟｼｯ!!ﾀﾞｧﾝ!ﾊﾟｼｯ!!






.......っく、すごい速さだ。

今鬼の私に、ここまで...
さすが柱。







カナヲ｢.....っ、｣



あおい｢.......早すぎてみえない...！｣









.....





【ﾐｼｯ】








皆｢！！！！｣









机から、嫌な音が.....！！







そう、

思った瞬間だった。









ﾀﾞｧﾝ!








ﾊﾞｼｬｯｯ!!









....







....





勝負がついてしまった。

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