有名役者は氷の呼吸を使うらしい。【鬼滅の刃】壱

41話 白い紫陽花 ページ43

？？？｢あら、失礼。


急に話しかけてしまってごめんなさい。｣






そう言って謝るこの人は、
動きが丁寧だった。どこか風格もある。
何より美人だ。







冨岡｢.......いや、気にしないで下さい｣







相手の人が年上だと判断し、
冨岡は敬語を使った。

すると、







？？？｢.......私は、鏡(ｶｶﾞﾐ)と申します。



お着物をお贈りするのでしたら、

お手伝いしましょうか。｣







と、灰色の瞳が微笑んだ。



.......正直ありがたいことではあるが

見ず知らずの自分に
なぜ話しかけたのか。

店員か.......？とも思ったが、
違うようだ。








鏡｢フフ、不思議そうな顔をしていらっしゃる。



少しばかり、着物に詳しいだけですよ。







.........なにか、いい物はありましたか？｣








.......ただ、鏡は親切な人なのだろうか。




冨岡は先程目に付いた、
白い紫陽花の模様をした
着物を見つめる。

この着物は
下に薄い灰色が塗られていて、
まるで雪のようだった。






鏡｢あら、いい物に目をつけられましたね。


.....失礼、お名前は｣






冨岡｢......冨岡、と言います。｣









鏡｢では、冨岡さん、と呼ばせていただきますね。


この着物は生地が細かいですね.......
それでいて、軽い。



あのこに、ピッタリだと思います。｣









............ん.？


あのこに、ピッタリ.......？

まるで、Aを知っているかのような口ぶりだ。

冨岡は少し驚いた顔で鏡を見た。

が、それも関係なしに鏡はしゃべり続ける。







鏡｢白い紫陽花の花言葉分かりますか？


寛容、です。

広く、優しい心、という意味ですね。｣







.......気のせい、だろうか。

富岡は、着物選びに集中することにした。




白い紫陽花の花言葉は、
Aにピッタリだと思ったので、
その着物を手に持ってみる。

鏡の言う通り本当に軽くて、丈夫そうだ。





そして、今まで気づかなかったが


白地に、ちょこんと、青が見えた。

白い紫陽花の中に、ポツンとアクセントで
青い紫陽花が入っているのだ。

なんてお洒落な着物。

だが、周りの紫陽花とは、形が違う。








鏡｢あら、.......ガクアジサイかしら。



花言葉は、謙虚。

控えめで、慎ましい様、という意味があります。







ですが、これは............


まるで.......









サムシングブルー.......ですね｣









冨岡｢.............？｣

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