有名役者は氷の呼吸を使うらしい。【鬼滅の刃】壱

3話 参の型 着氷 ページ5

.............ｻｸｯ................ｻｸｯ...........ｻｯ..........。









風の音に足音を混じらせて

近づく。





.......幼い頃から
足音を消すのは得意で、
よく兄弟子を驚かせていた。







.......ﾀﾀ.......ﾀ.......








.......？




.......







なんだ、変な感じがする。



空気が、おかしい。







.......






まて、





この鬼、






.......






まずい、


強すぎる






.......



でも、もう体を止めることは出来ない。
鬼殺隊として、それは許されない。








...........ﾀｯ.............ﾀｯﾀｯ.......ﾀﾀﾀﾀﾀ.......


ｻﾞｯ.......









A｢参の型！！！｣






腹から、思いっきり叫んで





鬼 ｢！？｣








ﾋｭ､






と



気配を消しながら鬼の背後に回り込み









A｢着氷(ﾁｬｸﾋｮｳ)！！！！！｣





ガキン




.......頸を狙って刃を滑らした。







A｢！｣








.......が、切れない。







相手の瞳が揺らいだ気がした。









......



.......この鬼、馬鹿みたいに強いから、
正直、切れないのは想定内だ。



.......気配でわかる強さ。

こいつの周りだけ、空気が歪んでいるような
感覚がする。



.......私では、
この鬼の頸なんて切れるわけない。
体ですら切れるかどうか危うい。



強い、硬すぎる。






.......








だからこそ、

参の型にした。







.......








ﾊﾟｷ.......




と、音が鳴ったと、思えば







パキ、パキッ

パキパキパキパキﾊﾞｷﾊﾞｷﾊﾞｷﾊﾞｷッッッ！！！









......





鬼の体が、ものすごい速さで
頸から全身にかけて凍っていく。









？？？ ｢.....小娘が、なにをした。｣









低い、落ち着いた声が響いた。




.......全身氷漬けの割に、
落ち着いているなこの鬼。





......

さすが、とでも言おうか。









A｢...参の型、着氷ﾁｬｸﾋｮｳ。

本当は、切れた部分から氷で固まってく技。


でも今は、
刃が触れた部分から急激に氷が体を覆う技。



.......あなたの頸は絶対、私じゃ切れないから









.......朝日が昇るまで凍っておいてほしいなぁって。｣









目を細めながら、
少し煽ると








？？？ ｢.............｣









ｷﾞｮﾛﾘと向いた


吸い込まれそうな


真紅の瞳と目が合った。

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