有名役者は氷の呼吸を使うらしい。【鬼滅の刃】壱

32話 尾ひれをつけて ページ34

目を伏せて、炭治郎は自白し始めた。

冨岡は静かにそれを聞く。






炭｢.......帰ったら、家族が殺されてて.......


禰豆子だけ暖かかったので、
医者の所まで連れて行こうとしたんです。


.......そこに、その人が来て、
禰豆子を急に切ろうとしました。



俺、その人が家族を殺した人なのかと

思って.......

蹴りまで入れてしまって.......




鬼になった人間は危険だと
分かっている上で、
その人は行動していたのに.......




禰豆子を切ろうとしたとはいえ、

俺を守ろうとしてくれていたと思うと

本当に.......



すみませんでした。｣








冨岡｢.......こいつを蹴ったのか。｣








炭｢っ、.......本当に、本当に、

申し訳ないことをしたと思っています。

.......すみませんでした。｣









本当に泣きそうな顔をする炭治郎。
傍から見ても、
人なんて殴ったことないような人間だ。
相当反省しているのが伝わる。



.......だが、それは冨岡に言うものでは無い。









冨岡｢.......泉澄深 A。｣









炭｢.......え？｣




炭治郎がﾊﾞｯと顔を上げる。






冨岡｢.......泉澄深、 Aだ。

今度あったら本人にきちんと謝れ。




俺はもう行く。｣





炭｢！っ、はい！！！｣







.......まぁ、今回の感じだと、
炭治郎が全部悪いとは言えない。
兄である自分が、妹を護ろうとしただけなのだ。

それは冨岡も分かっていたし、
きっとAだって分かっている。




素直に返事をする炭治郎に
狭霧山の話をして、

冨岡は即座にその場所をさった。









目指すは、蝶屋敷。


Aをゆっくり休ませるのが第一だ。




.............。


蝶屋敷に、Aを連れていったらどうなるか。

.......考えただけで頭痛がしてくる.......。




蝶屋敷の者だけにしか、Aを見せない

というのも手だが





運の悪いことに、明日は【柱合会議】だ。





絶対にAは出席させられる。
半分だが、鬼になったAをどうするか
話し合うだろう。


出席させなくて良いとしても、
どっちみち、胡蝶にAの存在を
暴露される。




.......正直そのほうがめんどくさい。
本当のことを倍以上に膨らまして

ばら撒きそうだ。




.......冨岡は素直にお館様達に話すことにした。









走って

しばらく経つと









冨岡とAは、


寒い山を抜け、町を抜け、








繁華街に出た。





そこは大いに賑わっていた。

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