ナミウテココロ《キンプリ短編集》 (ページ18)

今日:1 hit、昨日:8 hit、合計:46,885 hit

・ページ18

・

高校が早めに終わる日、俺はAちゃんを迎えに行った。

近いから、散歩がてら、徒歩で。

校門で待ってたらね、急に人がばぁーって来て、

知らない人に、肩触られてビックリしたり。

なんで～って思ってたらまさかの俺で、

とにかく嫌だった。

別に、嬉しいんだけど、邪魔されたくなかった。

この隙に、気付かずAちゃんが帰っちゃうかも知れない。

この人混みを掻き分けて、見つけたのは見覚えのある人影。

紫「あっ！Aちゃん！！」

「えっ！？…………紫耀っ！？？」

手を引っ張って着いたのは、小さな公園だった。

「ビックリした。でも、来て欲しくなかった。」

あぁ、迷惑を掛けちゃったのかな。

俯いて顔をあげない君に、呆れられたと確信した。

紫「……っごめん！」

「だから……あの、皆のこと……好きになられたら困る。」

紫「……え？！」

「紫耀が……皆のものになるのっ…………嫌だから。」

ごめん、Aちゃん、俺バカだから分かんなかった。

でも、俺は皆のものになったりしないから。

ずっとずっと、Aちゃんだけのものだから。

だから、これからも俺のものでいてね。

妹の友達《終》