ナミウテココロ《キンプリ短編集》 (ページ43)

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「げんくん、まだそのマフラー持ってんだ！」

あれから数日、あの頃のふたりにすっかり戻った。

玄「なにそれ、まだ2年くらいしか経ってないじゃん、

でも待って、Aもそのブレスレット持ってるし。」

「それは別件……！」

紫耀には

紫「あんときマジで俺ピンチだったんだからね？」

って言われるし神宮寺には、

勇「なんだかんだ知ってる夫婦の中で一番仲良い。」

とか。で、岸くんには

優「結局仲良いじゃねぇかよ！んだよ、ずりぃな！」

なんて怒鳴られちゃった。

「もー、またボーッとしてる。…………げんくん、

また疲れてんの？……実は私も仕事面で嫌なことあったんだ。

良かったら聞いてくれるかな。」

玄「俺は疲れてないよ？……でも、少々A不足。

…………話なら、いくらでも聞くよ、例えどんなことだとしても、

Aが笑顔になってくれるならいくらでも。」

俺らは、変わった。

辛かったことも、

嬉しかったことも、ふたりで分かち合えるようになった。

そのお陰かな、

不思議と喧嘩も無くなったんだ。

「ふふふ、幸せだね。」

なんて、笑い合っちゃったりして。

できない彼女も、

できるお嫁さんになった気がする。

できない彼女《終》

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