20 JK side ページ20
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【JK】
毎朝僕が決まって座る端っこの席から見える位置に必ず座る女の人
いつも眠そうにしてるのに、難しそうな本を読んでて3駅いくと、決まっておばあさんが乗ってきてその人のために席を立つ
初めは偶々なのかと思ったけど、それはおばあさんに対するヌナの優しさだったって気付くのに時間はかからなかった
…とても優しい人だと思った
そもそもヌナのことを認知したのはいつだったか、忘れもしない
女嫌いだって言われてるけど実際付き合ってきた人はいるし、まぁそれなりにすることもしてきてはいる
あの寒い日は僕が2年も付き合っていたヌナに浮気をされて落ち込んでた日だった
自暴自棄になって、鼻も耳も真っ赤になるくらい寒い日だったのに駅のベンチから座って動けなかったんだ
「君、ずっと座ってない?体調悪い?」
そう声をかけてきたのがAヌナだった
JK「いえ、大丈夫です」
大好きなヌナの浮気は衝撃的で、なのに別れるのが悲しいなんて自分自身にも呆れるし、知らないやつに声かけてくんなよって思ってた
なのにヌナは僕の隣に座ってきたんだ
「職場に忘れものしちゃって引き返したら君が座ってて、忘れ物とってきたらまだいるんだもんね、まぁ社会に出たら嫌なこともあるよね」
そう言って温かい缶コーヒーを渡してきた
JK「……どうも」
なんだか頑固そうだなって思ったし、別に自分に好意を感じなかったから“そういう”のじゃないってわかって渋々受け取った
「ん、明日からもがんばろー!」
そう言って伸びをして空を見上げたAヌナの横顔はとても綺麗だった
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お茶っ葉(プロフ) - もーめっちゃ好きです!!😭久しぶりにこんなにときめくお話を読まさせて頂きました!無理のない程度で頑張って下さいー!!✨ (2022年5月17日 2時) (レス) id: 8b68aabd57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷに子 | 作成日時:2022年5月8日 11時