77 ページ27
Hokuto_side
何をしてても自然と視界に入ってきて
小さな変化にも気付くようになってしまって
控え室に戻る京本の姿を追いながら
少しおぼつかない足取りを気にして
気づいた時には京本の体を支えていた。
なんでもないようなふりをして
スタジオに戻っても
1度気になったことは気になってしまい
少しだけ控え室を覗いて
眠る京本の表情を見てしまった。
それを見た後
すぐにスタジオから出て
近くのコンビニを渡り歩き
桃のゼリーとスポーツドリンクを手にしていた。
もうほとんど勝手に体が動いていた。
「どこ行ってたんだよ」
スタジオに戻って開口一番に樹にそう聞かれて
俺は思わずコンビニの袋を自分の背中に隠していた。
「買い物」
何もやましいことなんてないのに
反射的に隠してしまった袋の意味を
俺はあえて自分で深く考えないようにした。
でも樹はそれを見透かしたように
あえて俺が背中に隠した袋を見ながら呆れたように言った。
「さっききょも追いかけてったの知ってるっつーの。
そんな気になんなら離さなきゃよかったのに」
そう言われてやっぱり見透かされているとわかると
手に持っている袋をさらに後ろに隠していた。
「お前見ているとこっちが見てらんない。
お前に一回振られてる身として言うけど
お前たちが付き合えてたのって結構奇跡だったんだぜ。
だからそうやって離れて遠くで見てるだけじゃ
その奇跡なかったことになるぞ」
そう言った樹はテーブルにあった水を少しだけ飲んで
"悪い、変なこと言ったな"
そう言い残してセットへと戻りカメラの前に立っていた。
俺はそれを見ながら
袋は未だ背中に隠したまま
しばらくその場に立ち尽くしていた。
「あの…」
「はい？どうされました？」
「これ控室で休んでる京本のところに届けてもらえます？」
「あ、はいわかりました」
「寝ていると思うので、そばに置いといていただければ大丈夫です」
樹の撮影が終わったと同時に
やっとその場から動く気になって
そう言いながら近くにいたスタッフに買った袋を押し付けて
俺は樹と入れ違うようにセットへと向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 519人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くれよん(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるだけでとても嬉しいです。またお楽しみ頂けるように頑張ります!本当にありがとうございました! (5月15日 22時) (
レス) id: afe818a83d (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - きょもほくが大好きで、こちらの作品を楽しみにしていたので完結は少し寂しい気もしますが次の作品が楽しみです！お疲れ様でした！ (5月15日 20時) (レス) @page46 id: 0534630088 (このIDを非表示/違反報告)
くれよん(プロフ) - みくさん» コメントありがとうございます。ご覧頂けて嬉しいです！お待たせしておりますが、また更新致しますのでお待ちください！！ (2023年4月26日 13時) (レス) id: afe818a83d (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 更新頑張って下さい！待ってます！ (2023年4月23日 23時) (レス) id: 0ddb7ca8e5 (このIDを非表示/違反報告)
くれよん(プロフ) - Oukaさん» コメントありがとうございます!!以前から読んで下さってたんですね。お心遣いまでありがとうございます!!また再開しましたので、これからもお付き合い頂けると幸いです!! (2023年3月31日 0時) (レス) @page23 id: afe818a83d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くれよん
| 作成日時：2023年3月5日 21時
