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本当に懐かしい匂いだった。
微かに感じることはあっても
こんなにも近くでこの匂いがするのは
ものすごく遠い記憶に感じた。
でもしっかりと覚えていて
その匂いが好きだったことも忘れてはいなかった。
｢大丈夫か｣
その匂いなんかより
もっと好きだった声も聞こえてきて
助けてくれた人は見なくても十分わかった。
｢あぁ…ごめんちょっと疲れてて｣
そう言って俺はすぐに立ち上がり、転がっていたペットボトルを拾った。
急いで拾ったせいか
しっかりと掴めず
ペットボトルを1度落としてしまい
慌ててもう一度拾い直した。
分かりやすく動揺している自分に少し恥ずかしくなった。
さっきまであれだけ力が入らなかった足が、今はしっかりと地についていた。
｢あんま無理するなよ｣
そう言った北斗もバツが悪そうに背を向けてスタジオへ戻って行った。
｢あっ北斗！｣
俺は動揺も隠せぬままそう呼び止めると、北斗は立ち止まり少しだけ体をこちらに向けた。
｢ありがとう｣
鼓動の音をかき消すようにそう北斗に投げかけると、少し頷いてまた俺に背を向けた。
そんな後ろ姿を見ながら
触れられた両肩に残る熱と
もう離れて行ってしまったあの匂いを思い出しながら
胸の辺りに広がる痛みに似た感覚と鼓動の早さを感じた。
それを感じる度に
またねじ込んでいた得体の知れない感情が湧き出してきて
少し息が詰まった。
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くれよん(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるだけでとても嬉しいです。またお楽しみ頂けるように頑張ります!本当にありがとうございました! (5月15日 22時) (
レス) id: afe818a83d (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - きょもほくが大好きで、こちらの作品を楽しみにしていたので完結は少し寂しい気もしますが次の作品が楽しみです！お疲れ様でした！ (5月15日 20時) (レス) @page46 id: 0534630088 (このIDを非表示/違反報告)
くれよん(プロフ) - みくさん» コメントありがとうございます。ご覧頂けて嬉しいです！お待たせしておりますが、また更新致しますのでお待ちください！！ (2023年4月26日 13時) (レス) id: afe818a83d (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 更新頑張って下さい！待ってます！ (2023年4月23日 23時) (レス) id: 0ddb7ca8e5 (このIDを非表示/違反報告)
くれよん(プロフ) - Oukaさん» コメントありがとうございます!!以前から読んで下さってたんですね。お心遣いまでありがとうございます!!また再開しましたので、これからもお付き合い頂けると幸いです!! (2023年3月31日 0時) (レス) @page23 id: afe818a83d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くれよん
| 作成日時：2023年3月5日 21時
