53 ページ3
｢京本くんー落ち着こうよ。
暴力は頂けないな｣
｢あんたにわかるかよ…｣
理性が辞めろと言っているのはわかっていた。
でも胸倉を掴む手はどんどん力がこもっていき、震えているのもわかった。
｢俺らがどれだけ…どれだけこの関係大切にしてたか知らねーだろ。
俺らは他のメンバーや友だちと違って遊んだことも…ましてや話した時間も少ない。
あんだけメンバーとしていたはずなのに、俺ら2人の思い出や過ごした時間はほとんどない。
でもそれは俺たち自身がまいた種だから仕方がないことはわかってる。
でも
だから今こうして手に入れた奇跡のような時間を大切にして…
取り戻してたんだ…
大事に…大切に
俺たちの時間を!!｣
胸倉を掴む手に冷たいものが落ちてきて、それがとめどなく落ちてきた。
震える手から徐々に力が抜けて、両肩がわかりやすく下がった。
｢だからなんだ？｣
｢は？｣
｢そもそも恋愛？
しかも同じグループって。
火種は京本くんたち自身が持ってたもんだろ。
それにちょっと薪をくべただけさ。
俺じゃなくても違った形でもっと大変なことになってたかもしれない。
むしろ今までちゃんと黙ってただけ有難いと思って欲しいところだよ。
そのご褒美の1つや2つねぇ？｣
澤口さんの言うことも間違いではなかった。
完全な俺たちのエゴでもあった。
それは紛れもない事実だ。
｢だからこんなことされる筋合い
ないと思うんだけど｣
分かりやすく澤口さんの声色が変わった。
それとともに顔つきも変わり、本能的に危機を感じて胸倉を掴んでいた手を離していた。
その手をまるで追うようにして伸びてきた澤口さんの手は俺の腕を掴んでいて、そのまま体を勢いよく押され、気がつくと天井を見ていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 519人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くれよん(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるだけでとても嬉しいです。またお楽しみ頂けるように頑張ります!本当にありがとうございました! (5月15日 22時) (
レス) id: afe818a83d (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - きょもほくが大好きで、こちらの作品を楽しみにしていたので完結は少し寂しい気もしますが次の作品が楽しみです！お疲れ様でした！ (5月15日 20時) (レス) @page46 id: 0534630088 (このIDを非表示/違反報告)
くれよん(プロフ) - みくさん» コメントありがとうございます。ご覧頂けて嬉しいです！お待たせしておりますが、また更新致しますのでお待ちください！！ (2023年4月26日 13時) (レス) id: afe818a83d (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 更新頑張って下さい！待ってます！ (2023年4月23日 23時) (レス) id: 0ddb7ca8e5 (このIDを非表示/違反報告)
くれよん(プロフ) - Oukaさん» コメントありがとうございます!!以前から読んで下さってたんですね。お心遣いまでありがとうございます!!また再開しましたので、これからもお付き合い頂けると幸いです!! (2023年3月31日 0時) (レス) @page23 id: afe818a83d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くれよん
| 作成日時：2023年3月5日 21時
