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Shintaro_side
「まあキツかったら黒服の仕事とか他の仕事はいっぱいあるんだから言えよ。できるできないは別として」
「うん。ありがとう。
そのさ最初に言ってたお願いはさ、辞めるまでの間まで色々また迷惑かけるし、手を貸してほしい事も出てくると思うから、その時は助けてって言いたかったんだ」
北斗とこんなにも話すのは久しぶりだった。
最近は話すとなっても仕事の話ばかりだった。
手が離れていく感覚に寂しさを感じつつも、新鮮で妙に嬉しいと思ってしまっていた。
「もちろん。昼職決まったら遠慮なく言えよ」
「というか俺が辞めたらこの店大丈夫なの？」
「あんま天狗になんなよ。北斗がいてもいなくても変わんねーよ」
「さっきジェシーがカラス鳴きそうって言ってけど？…てかジェシーまだいたの！？なんも喋んないから忘れてた」
北斗を連れて来てくれたジェシーの存在は、完全に話に夢中だったせいですっかり忘れていた。
後の物陰で壁に背中を預けたジェシーは、俺たちの話を淡々と聞いていて、1度も声を発することがなかったせいでもあった。
「ジェシー？？…聞いてる？」
声をかけても、顔を伏せてこちらを見ようとしないジェシーの顔を凝視すると、少し鼻をすする音が聞こえた。
「え、嘘でしょ。ジェシー泣いてんの？」
俺が少しの不安と驚きの声をあげると、ジェシーは分かりやすく目元を指で抑えた。
「なんでジェシーが泣くの？」
「うるせぇーよ。
てかお前ら最高だな」
少し声が涙で震えながらも、いつも通りのジェシーらしい言葉が返ってきて、北斗と顔を見合せならが、少しだけ俺らは笑った。
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作者名：くれよん
| 作成日時：2022年12月26日 20時
