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｢うん。
したい。
全部樹としたい｣
北斗の戸惑ったような表情は、自然とゆっくり柔らかくなったように感じた。
｢樹
ありがとう。
ありがとう…｣
そう言い終えるか終えないかのタイミングで、俺は北斗の唇に自分の唇を重ねた。
重なった瞬間、部屋にタイマーの音が鳴り響く。
それは何度も聞いた、終わりを告げる音。
けれど今日は始まりを告げる音にも聞こえた。
俺はその音を聞くと同時に、手に持っていた煙草を灰皿に押し付ける。
｢今までお疲れさま。
これからもよろしくな｣
｢ありがとう。
こちらこそよろしく｣
これまで諦めていたこと
できなかったこと
我慢していたこと
すべてはじめよう。
心が潤っているうちに。
• ───── fin───── •
モヒートのカルテル言葉
《心の乾きをいやして》
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作者名：くれよん
| 作成日時：2022年12月26日 20時
