43 ページ43
Hokuto_side
｢松村さん顔がお疲れですね｣
｢えっそうですか？｣
｢お忙しいですもんね｣
結構控え室に入っても、結構そのスタッフの名前を思い出せず、早く部屋から出ていって欲しいという思いも届かぬまま、軽い世間話が始まってしまった。
｢これ飲んでみてください。色々ブレンドしてて疲れも取れるみたいなんですよ｣
いつの間にか注がれていた独特の匂いのする液体が入った紙コップが差し出され、俺は受け取らざる得なくなってしまった。
｢お茶…というか紅茶？ですか？｣
｢紅茶みたいなもんです。匂いは独特ですけど美味しいのでぜひ｣
正直飲む気はしなかったが、ここまでされてしまうと飲まない訳にもいかず、ほぼ流し込むように飲み干した。
考えればいくらでも断ったり、誤魔化すことはできたのに、どれも思い浮かぶだけで行動や言葉になることはなかった。
｢うわっ…すごい味ですね。でも確かに体には良さそうです｣
何とも言えない香りと味が口に広がり、思わず眉間にシワが寄ってしまったが、なんとか絞り出した感想を述べたことで、スタッフは少し満足そうな顔をしていた。
｢よかったです、喜んで頂けて｣
飲んだことに満足したのか、ごゆっくり休んでくださいと上機嫌に言い残して、そのスタッフは控え室を去っていった。
机に置かれたペットボトルをすぐに手にして、口の中を洗い流すように飲み干すと、やっと肩の力を抜いて椅子に深く腰を掛けた。
また重くなってきた瞼を閉じ、奥に置かれていたソファに移動して横になろうかと考えている間に、ノック音が広い部屋に鳴り響いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1179人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くれよん(プロフ) - もずくさん» 大変遅くなりました。コメントありがとうございます。更新再開しましたので、またご覧頂けると嬉しいです！ (2023年1月22日 22時) (
レス) id: afe818a83d (このIDを非表示/違反報告)
もずく - 続き気になります！更新楽しみにしてます (2021年3月13日 10時) (レス) id: d307ed8e57 (このIDを非表示/違反報告)
くれよん(プロフ) - ぺるさん» ありがとうございます！がんばります！ (2021年1月20日 0時) (レス) id: 7a19f15719 (このIDを非表示/違反報告)
ぺる - とても面白いです更新たのしみにしてます！！(><) (2021年1月17日 23時) (レス) id: b9b2df3b6b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くれよん
| 作成日時：2020年11月29日 22時
